目次
理論上、FXは最低4円から始められます!
FXはいくらから始めることができるのか?
その疑問にお答えするために、主要FX会社で取引可能なドル円の「最低通貨単位」を一覧表にしました。
ご覧のようにFX会社によって最低通貨単位が異なるので、どのFX会社を利用するかによって「いくらから取引が可能か」が異なります。
FX会社名 | 最低通貨単位 | 最小初期投資金額 |
---|---|---|
SBI FX | 1通貨 | 約4円 |
マネーパートナーズ | 100通貨 | 約400円 |
外為ジャパン | 1,000通貨 | 約4,000円 |
外為オンライン | 1,000通貨 | 約4,000円 |
YJFX! | 1,000通貨 | 約4,000円 |
ヒロセ通商 | 1,000通貨 | 約4,000円 |
インヴァスト証券 | 1,000通貨 | 約4,000円 |
FXプライム by GMO | 1,000通貨 | 約4,000円 |
外為どっとコム | 1,000通貨 | 約4,000円 |
GMOクリック証券 | 10,000通貨 | 約40,000円 |
DMM FX | 10,000通貨 | 約40,000円 |
一部、「1通貨」や「100通貨」といった特殊な通貨単位での取引が可能なFX会社も見られますが、おおむね1,000通貨単位か10,000通貨単位から始められることが分かります。
最低通貨単位が小さいほど必要な初期投資金額も小さくなるので、徐々に始めたい場合は、最低通貨単位が小さく設定されているFX会社を選択するのが良いでしょう。
上記の一覧表を見て、FX会社によって最低通貨単位にかなりの違いがあることがお分かりいただけたと思います。
なぜ会社によってFXを始められる金額が異なるの?
「なぜこんなにFX会社によって違いがあるの?」と疑問を持つ人も多いことでしょう。
その最大の理由は、FX会社同士の顧客獲得競争です。
初めてFXに取り組む人は「少しずつ始めたい」という意向を持っていることが多く、最低通貨単位が小さいFX会社を選択する傾向が強くなります。
1,000通貨単位の場合、約4,000円あれば始められるのですから、10倍の40,000円と比べると敷居が低いと言っていいでしょう。
さらに小さい1通貨や100通貨といった取引単位を設定しているFX会社についても、同様です。
口座開設のハードルを下げ、FX取引をする投資家を増やしたいという思惑があります。
では、1,000通貨から可能なFX会社がこれだけ多い中で「10,000通貨から」としているFX会社は競争を放棄しているのかというと、そんなことはありません。
かつてはほとんどのFX会社が10,000通貨を最低単位として設定していたので、昔のFX業界を知っている人にとっては「本来の取引単位」とも言えます。
こうした本来の通貨単位を設定しているFX会社は最低通貨単位での競争ではなく、ツールの使いやすさや情報発信力など、他の付加価値で勝負していると考えられます。
FX会社によってターゲットにしている顧客層が異なるため、このように最低通貨単位にも違いがあるのです。
「通貨単位」と「最小投資金額」とは
先ほどの一覧表について、もうひとつ解説しておくべき項目があります。
それは中央の欄にある「最低通貨単位」と右の欄にある「最小投資金額」の違いについて。
一番上にあるSBI FXを見ると最低通貨単位は1通貨となっているのに、なぜ最小投資金額は約4円となるのか?不思議に感じた人もいるのではないでしょうか。
先ほどから表記しているFXにおける「通貨」というのは、例えば米ドルなど、それぞれの国の通貨を表しています。
米ドルの1通貨なら、それは1ドルという意味。
1,000通貨であれば1,000ドル、10,000通貨であれば10,000ドルといった具合です。
ここでもうひとつ、新たな疑問です。
1通貨を1米ドルと仮定すると、1ドルのレートはおよそ107円前後なので(2020年7月時点)、「なぜ107円ではなく約4円になるのか?」と不思議に思われることでしょう。
これを理解するには、FXのレバレッジという仕組みを知っておく必要があります。
FXには、レバレッジという仕組みがあります。
レバレッジとは
レバレッジとは「てこ」の意味で、てこの原理のように小さな力(実際の資金)で大きな力(大きな資金)を動かすことができるのです(日本国内のFX会社では最大25倍までのレバレッジを利用することが可能)。
レバレッジなしで10,000ドルの取引をする場合、1ドル=107円とすると107万円の資金が必要になります。
しかし25倍のレバレッジを適用すると、25分の1にあたる42,800円があれば取引が可能になります。

話をSBI FXの「1通貨」に戻しましょう。
1ドルは107円なので、これをレバレッジ25倍で取引したとしたら、4.28円です。
一覧表に記載した「約4円」というのはこのように求められた数値というわけです。
あなたはいくらから始める?1通貨、1,000通貨、10,000通貨のメリットとデメリット
通貨単位が大きくなれば、それだけ取引する外貨も大きくなるため、利益が出た時は利益額が大きくなります。
その反面、損失が出た時はその金額も大きくなるので、通貨単位が大きくなるとリスクとリターンそれぞれが大きくなります。
ここでは、1通貨、1,000通貨、そして10,000通貨それぞれの単位で取引をするメリットとデメリットについて解説します。
1通貨のメリット/デメリット
まずは最も小さな取引単位である、1通貨。
1通貨単位でFX取引をするメリットとデメリットを見てみましょう。
1通貨取引のメリット
- 最低約4円から取引が可能
- 1通貨だと損益も数円未満
- デモトレードと比べれば、1通貨でも資金を動かしているのでトレードの練習になる
1通貨取引のデメリット
- 最小単位なので、利益が出ても大きな金額にはならない
FX会社が提供しているサービスの一つに、デモトレードがあります。
本物の売買画面と同じ取引環境が用意されていて、仮想の資金を動かしてFX取引を体験するものです。
デモトレードはFXの練習用にも活用できるのですが、やはり仮想資金だと緊張感なくトレードしてしまいがち。
たとえ1通貨であっても、実際に資金を動かした方がトレードのコツがつかみやすいというメリットは確かにあるでしょう。
その反面、1通貨だと損益も1円単位になってしまうので、あくまでも「デモトレード以上、本格トレード未満」という位置づけで取り組むのが良いでしょう。
1,000通貨のメリット/デメリット
次に、1,000通貨単位のFX取引で考えられるメリットとデメリットの解説に進みましょう。
以下のようなメリットとデメリットが考えられます。
1,000通貨取引のメリット
- 初期投資額が約4,000円から始められる
- 損失が出ても1取引あたり数百円、数千円規模
- 1,000通貨に対応しているFX会社が多く、FX会社の選択肢が広い
- 資金に余裕を持たせやすく精神的に楽である
- 1万通貨へのステップアップもできる
- 細かい単位で増資できるため、複利運用(再投資)がやりやすい
1,000通貨取引のデメリット
- お小遣いレベルのトレード規模なので、慣れてくると物足りなく感じる
- スワップポイントの受け取りが発生する通貨ペアであっても、スワップポイントが小さい場合は付与が毎日行われない場合がある
デメリットの2つ目に、スワップポイントという言葉が登場しました。
スワップポイント
スワップポイントというのは、政策金利差がある通貨同士のペアを保有している場合、日々、その差額を受払するというものです。
FX投資家の中にはこのスワップ収入を目的に高金利通貨を買う人もいるので、FXの魅力のひとつです。
スワップポイントは通常、10,000通貨あたりの金額で表記されているので、1,000通貨で取引をしている場合はスワップも10分の1になります。
スワップポイントが10円以上あれば10分の1になっても1円以上になるので問題はないですが、数円程度のスワップを10で割ると1円未満になってしまうため、数日に一度というサイクルでスワップポイントが付与されるようになります。
そのため、ポジションを決済するタイミングによっては端数のスワップポイントを受け取れないことがあります。
10,000通貨のメリット/デメリット
最近では1,000通貨単位で取引ができるFX会社が多くなりましたが、かつては10,000通貨からというFX会社が大半。
10,000通貨単位の取引は、本来のFXの取引単位とも言えます。
それを示すようにFXの世界には「lot(ロット)」という取引単位があり、一般的に1lotは10,000通貨のことを意味しています。
ある意味では「10,000通貨で取引するようになったら初心者卒業」と言えるのかもしれません。
10,000通貨単位でのFX取引には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
10,000通貨取引のメリット
- ほぼすべてのFX会社で取引可能な単位であり選択肢が広い
- 取引ツールなど付帯サービスの充実度が期待できる
- 1通貨、1,000通貨と比べると取引単位が大きく、損益も大きくなる
10,000通貨取引のデメリット
- 初期投資額が少なくとも約40,000円になるため敷居が高くなる
- 損失が出た時のダメージが大きくなる
- 含み損が「お小遣い程度」の域を超えることがあるため精神的な負担が大きくなる
- 1.1万通貨、3.8万通貨、0.9万通貨というように、細かい単位でのロットコントロールができない
FXに限らず投資は、うまくいっている時は問題がないのですが、含み損が出ている場合などうまくいっていない時に、資金的な不安や精神的負担が大きくなってしまうという問題があります。
1,000通貨単位でのトレードであれば、含み損は「お小遣い程度」であることが多く精神的な負担をあまり感じないのですが、10,000通貨になると含み損も10倍になります。
一般的な金銭感覚だと含み損が看過できない金額になることもあるため、精神的な負担が大きくなりすぎることが思わぬデメリットになってしまいます。
FXを始めるのに充分な最低金額とは?初心者向けに解説
ここまでの解説を読むと、「できるだけ負担を回避するために1通貨や1,000通貨から始めた方がいい」ことが理解できたと思います。
それでは、いくらから始めるのが妥当なのでしょうか。
ご提案したい資金額の目安は、以下の通り。
1,000通貨から始めるのが無難で、以下の「妥当な資金額」は1通貨と1,000通貨で始める場合の目安額です。もちろん、これよりも多いに越したことはありません。
取引単位 | 妥当な資金額 |
---|---|
1通貨 | 400円~1,000円 |
1,000通貨 | 8,000円~12,000円 |
先ほどから「1通貨であれば約4円」といったように最小初期投資金額を解説しましたが、上記ではその金額よりも多いことに気付いたかと思います。
最小初期投資金額は「レバレッジを最大の25倍にした場合」の最小額であり、ギリギリの資金で運用するとわずかな含み損が出ただけで強制ロスカットが発動してポジションを維持できなくなってしまうので、資金に余裕を持たせるために金額を多めにした方がいいでしょう。
このように資金に余裕を持たせると、実質的なレバレッジを低くすることができます。
実質的なレバレッジが5倍以下になるよう、少なくとも資金は必要となる証拠金に対して5倍程度は用意しておきたいところです。
プロトレーダーの木里さんは10万円からFXをはじめた!
いくらからFXをはじめましたか?

私は、10万円から1,000通貨で投資を始めました。
どのような理由から、10万円にしたのですか?

入門書や有名トレーダーの本を見ると、まずは1,000通貨から始めようというものが多かったからです。
また自分自身にもやり方があったわけではなく、本などで見た人のやり方を真似していただけなので、自信はなかったので1,000通貨からの投資にしました。
10万円ならまあ全部なくなってもいいかとも思いました。
FXのお金っていくらから引き出せる?
FX会社の口座に預け入れている資金は、出金操作をすることによってあらかじめ設定している銀行口座に出金することができます。
最低出金単位が「2,000円から」となっていることもあり(DMM FX、外為ジャパンなど)、最低出金可能額を下回る金額の出金は全額出金や口座解約時のみとなっているのが一般的です。
【初心者向け】FXのリスクが不安ならまずは1通貨や1,000通貨から
FXにはリスクも付き物です。
リスクに不安を感じていると思いますが、その解決策の一つが「1通貨や1,000通貨程度から始める」ことです。
しかし、1000通貨で始める場合でも、取引には為替変動リスクがあることに変わりありません。高いレバレッジで取引をすると初期費用以上の損失がでてしまう可能性もあります。
FX会社によって最低通貨単位が異なること、そしてレバレッジの仕組みやリスクを理解したうえで、取引をしましょう。
最初から大きな利益を狙ってしまうとリスクも高くなるので、まずは第一歩として1通貨や1,000通貨から始めてみてはいかがでしょうか?
FXのリスクについてもっと知りたい方は以下の記事も読んでみてください。

FXがハイリスクと言われるのはなぜ?5つのリスク管理方法を徹底解説
FXはなぜハイリスクと呼ばれているの?どんなリスクがあるんだろう...FXは他の投資と比べてハイリスクハイリターンな投資だといった•••続きを読む