投資詐欺の実態調査|317人のアンケートから見えた自己防衛の方法とは

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残念なことに、新聞やニュースなどで投資詐欺が報じられることが後を絶ちません。

逮捕者も出ていますが、詐欺グループは一向に減らず、活動は続いているようです。こういった詐欺被害に遭わないようにするためには、我々自身も投資リテラシーを高め、自己防衛する必要もあるでしょう。

そのためにも、まずは実情をしっかり把握する必要があります。

そこでエフプロ編集部は、「一般社団法人 金融リテラシー協会」と共同で投資詐欺に関する実態調査を行いました。

調査結果を見ると、投資詐欺の問題は現在進行形であり、リテラシーの低い初心者がターゲットにされていることがあらためて浮き彫りになります。投資詐欺の現状を理解し、投資家全員のリテラシーを向上させ、詐欺に立ち向かっていきましょう。

調査方法に関するデータ

  • ・調査期間:2021年5月1日~6月10日
  • ・調査方法:インターネット上のアンケート
  • ・調査人数:317名
  • ・男女比:男性51.7%/女性48.3%
  • ・年代
  • 居住地(上位5都府県)
  • 東京都:20.6%
  • 大阪府:17.9%
  • 岐阜県:7.3%
  • 神奈川県:6.6%
  • 兵庫県・京都府・埼玉県・千葉県:5.3%

目次項目をクリックで該当箇所へ

Section1 金融商品・投資案件を勧められた
経験を持つ人は約57%

1.あなたは、誰かから金融商品や投資(株・FX・暗号通貨・海外投資・他投資案件)の勧誘を受けたことはありますか?

もちろん、他人から勧められる金融商品がすべて怪しいわけではありません。しかし、これまでに確認されている投資詐欺の多くは「他人からの紹介・勧誘」が入口になっています。

そこで「誰かから金融商品や投資の勧誘を受けたことがあるか」を聞いてみたところ、6割り近い人が「ある」と回答しました。

投資経験者、もしくは興味ある人にとって「勧誘」は非常によくある話であることがわかります。そういった勧誘の中に、投資詐欺が含まれている可能性もあるという意識を持っておくことが大切といえるでしょう。

1-1.勧誘してきた人物との関係性は? ※複数選択可

1-2.説明を受けた場所は? ※複数選択可

勧誘された経験が「ある」と回答した人に、誰から誘われたのか聞いてみたところ、もっとも多かったのは「友人・知人」という答えでした。説明を受けた場所としては「自宅やカフェ等」がもっとも多く、友人・知人から対面で勧められている様子が目に浮かんできます。

また、SNSやLINEなどを通じて誘わているケースも多いこともわかりました。最近の投資詐欺の手口としては、マッチングアプリで知り合った相手から投資を勧められるというケースも増えているといいます。

マッチングアプリを通じて「いい人そうだな」「この人とは価値観が合うな」などと好意を持つと、投資の話が出ても警戒心が薄くなってしまうことは十分に考えられるでしょう。

いずれにせよ、友人・知人など心を許せる人からの誘いだとしても、客観的で冷静な観点を忘れないようにすることが大切です。

1-2.1-3.あなたは、その投資をしましたか?

人から勧誘された投資を「実際にやったか」については、驚くべきことに半数以上の人が「はい」と答える結果になりました。

繰り返しになりますが、人から誘われる投資の話がすべて詐欺というわけではありません。将来の資産形成のために自助努力が必要とされる時代ですし、投資は非常に大切です。

ただし、人から勧められる投資には「怪しいものが含まれている可能性がある」という意識もまた必要です。誘われたその場で即決するのではなく、まずは持ち帰り、他の人の意見も聞いてしっかり調べてみることが大切。

その際、遠慮せず専門家にも相談しましょう。金融庁や証券取引監視委員会などに相談窓口が設けられているので、まずは問い合わせてみましょう。
(金融庁:詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!)

1-4.その情報を人に紹介すると紹介料(報酬)がもらえると案内されたことはありますか?

1-5.あなたは、その情報を人に紹介したことはありますか?

また、投資に誘われた経験が「ある」と回答した人の中には「他の人を紹介したら報酬がもらえる」と案内されている人が半数近くいました。

紹介報酬というのは、投資詐欺によくある話です。このような話が出たら詐欺もしくは詐欺まがいの商法である可能性を疑い、上記の相談窓口に連絡してみましょう。

Section2 実際に起きている投資詐欺の被害

2.投資詐欺または投資詐欺まがい商法の被害に遭ったことはありますか?

2-1.被害に遭った時点での投資経験を教えてください

では、実際に投資詐欺の被害に遭った人はどのくらいいるのでしょうか。 これについては、約3割もの人が被害ありと回答しました。300人のうち80人以上ですから、相当な数字です。

そして、被害に遭った人の投資経験について調査してみると「投資経験なし」と「1年未満」だけで半数に達します。「3年未満」も含めると7割にもなり、初心者がターゲットになっている現状があらためて浮き彫りになりました。

2-2.その投資詐欺または投資詐欺まがい商法と出会ったきっかけは ?※複数選択可

2-3.説明時に『必ず儲かる』や『元本保証』というフレーズは出てきましたか?

投資詐欺または投資詐欺まがいの被害者に対して「その商法と出会ったきっかけ」を調査してみると、実に7割以上が「人からの紹介」でした。

この結果を見ると、やはり誰かから金融商品や投資案件を紹介された時点で、相当な注意を払う必要があるといえるでしょう。

そして、投資詐欺に定番なのが「必ず利益が出ます」「元本は保証します」といった言葉。ハイリターンと元本保証を約束するような誘い文句が出たら、詐欺の可能性が大です。上記に紹介している金融庁や証券取引監視委員会などの窓口に相談することをおすすめします。

2-4.投資したお金はどのくらい戻って来ましたか?

2-5.投資詐欺または投資詐欺まがい商法によるトータル被害額は?

そして、被害者に「お金は戻ってきたのか」を聞いてみたところ、悲しむべき事態が明らかになりました。

全額戻ってきた人はわずか5.4%で、まったく戻ってこなかったという人が7割近いという、衝撃の数字。ほとんどの人が泣き寝入りの状態となっているのです。

しかも被害額も衝撃で、100万~500万という人が34.8%。500万円以上という人も20%以上いるという結果になりました。

2-6.被害について、警察、消費者生活センター、弁護士へ相談しましたか?

2-7.被害相談して解決しましたか?

一方、「被害について相談している人が低い」というのも興味深いデータです。

これについては人それぞれ理由があると思われますが、「まだ詐欺だと自分の中で決めきれていない」という理由もあるかもしれません。「ちょっと怪しいような気もするけれど、まさか自分が詐欺に遭うはずがない」と、根拠のない思い込みを持ち続けてしまう人もいるようです。

残念ながら、お金が全額戻ってくる可能性は低いのが現状のようですが、とはいえゼロではありません。少しでも疑問を持ったら、相談してみることが大切です。

Section3 金融リテラシーは高くないのに
「自分は大丈夫だろう」という意識がある危機

3.金融商品を販売・勧誘するには、金融ライセンスが必要だということをご存じでしたか?

「勧誘」について、金商法(金融商品取引法)の認知度についても調査してみました。

さまざまな金融商品の販売・勧誘をする業務を行う際は、法的な登録を受ける必要があるのですが、6割近い人がこれを知りませんでした。

また金商法では、金融商品の取り扱い業者に対してさまざまな義務・禁止行為などが定められています。営業所には標識の提示義務がありますし、不確実な事項について断定的判断を提供したり、確実であると誤解させるおそれのあることを告げて(つまり、必ず利益が出るなどと言って)勧誘することは禁止されています。

こういった義務・禁止行為を知ることでも、多くの投資詐欺から身を守ることができそうです。

4.あなたは、金融リテラシー(金融に関する知識や情報を正しく理解し、主体的に判断することができる能力)があると思いますか?

5.あなたは、投資詐欺に遭わない自信はありますか?

最後の質問は、一般投資家たちの自意識について。これについても非常に印象深い結果となりました。

「金融リテラシーがあるか」という質問に対しては、「どちらかといえばある」と答えた人と「どちらかといえばない」と答えた人の比率が近かったのですが、「投資詐欺に遭わない自信はあるか」について聞いてみると、この比率が少々変わります。

「どちらかといえばある」と回答した人の方が増え、「ある」と答えた人と合計すると74.1%にも達したのです。

金融商品の販売・勧誘をする業務にはライセンスが必要という知識については約6割が知らない状態だったのに、7割以上の人が「自分は詐欺には遭わないだろう」と考えている

この結果を、私たちは重くとらえておくべきでしょう。

誰かから金融商品の勧誘を受けるのはきっと誰にでも起こり得ることで、そこに潜む投資詐欺を見分けられない可能性も大いにあるのです。だからこそ、普段から金融リテラシーを向上させる勉強をしておくことや、信頼できる相談先を見つけておくことが大切です。

このアンケート調査が、投資詐欺の撲滅に少しでも役立つことを願うばかりです。

アンケート協力
一般社団法人 金融リテラシー協会
https://fliteracy.jp/

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