目次
シストレ24はどんなツールなのか?
シストレ24とは、インヴァスト証券が提供している自動売買サービスのことです。
世界中の投資のプロが考案した「ストラテジー」と呼ばれる自動売買プログラムを選ぶだけで、自動的にFX取引ができるサービスです。
最近は、「トラリピ」など各FX会社がリピート系の注文サービスをリリースしていますが、それらとは異なり、より複雑なシステムでの自動売買が可能です。
運営しているインヴァスト証券とは、どんな会社なのか?
シストレ24のサービスを提供している会社は、インヴァスト証券というFX会社です。
インヴァスト証券は自動売買に力を入れている会社で、システムトレードでFX業界をリードするかなり知名度の高い会社です。
頻繁に各雑誌やテレビなどでも広告を出しており、認知度が日増しに高まってきています。
また、運営会社のインヴァスト株式会社は、JASDAQに上場されています(証券コード:7338)
シストレ24を利用するメリット・デメリット
そもそもシストレ24とは、システムトレード、つまり自動売買の一種です。
自動売買の場合、裁量取引(自分で通貨ペアを買ったり売ったりすること)に比べて余計な感情を働かせることなく条件どおりに注文を執行します。
FXはどうしても感情(メンタル)の部分にパフォーマンスが左右されてしまい、その結果多くの裁量トレーダーが損を出してしまっているのが実情です。
初めからこういった自動売買を行うことはメンタル面を克服でき、メリットといえます。
また、シストレ24の場合は、他の多くのFX会社が提供するリピート系注文と異なり、より複雑なストラテジーで運用が可能です。リピート系だけでは対応しきれない難しい相場も、これらのストラテジーを使えば取引のチャンスが広がります。
一方、一般的にシステムトレードは専門的な用語も多く、「そもそもFXをまったく知らない」という方には少し敷居が高い点がデメリットです。
しかし、シストレ24は従来のシステムトレードとは異なり、かなり初心者にわかりやすい取引画面なので、取引画面の見方や専門的な用語も一度覚えてしまえばすんなり理解できるでしょう。
ログインするとサービスがたくさんあるけど、どれを選べばいいの?(各サービスの特徴)
インヴァスト証券の口座を開設して、マイページにログインをすると、いろいろなFXサービスがあり、初めての場合どれをクリックすればよいか迷ってしまう方もいます。そこで、まずはそれぞれのサービスの説明を行っていきます。
口座開設後、通常は以下の5つのログイン画面が表示されます。
- マイメイト
- トライオートFX/ETF
- Myシストレ24
- くりっく365
- MONEYHATCH
「マイメイト」
投資家の分身として、相場を勉強しながら成長していく教科学習型のAIです。「トライオートFX/ETF」
リピート系型の自動売買と、裁量トレードを行える、インヴァスト証券の一番人気商品です。
「Myシストレ24」
シストレ24を行うのに一番ベーシックな取引ツールで、多数の自動売買ストラテジーを取引できるミラートレーダーに接続し、ストラテジーの選択や分析などが行えます。また、後述するフルオートやジョイントレードなどの操作も簡単に行うことが可能です。「くりっく365」
裁量でFXをしたい場合のサービスです。
くりっく365は、取引所取引で、東京金融取引所というところが上場したFXです。
インヴァスト証券のサービス比較
シストレ24 | トライオート FX/ETF |
マイメイト | |
---|---|---|---|
自動売買の内容 | 数千種類の自動売買ストラテジーから、運用したいものを選択。 | 狙う相場の範囲の値動きから連続して利益を狙う、リピート系自動売買。最初から用意されている数十類しか選択が可能。 | それぞれが個性を持ち、相場を学びながら成長する、教科学習型の自動売買。 |
取引ルールの公開 | なし | あり | なし |
自動売買の種類 | 数千種類 | 数十種類 | 1種類 |
自動売買の自作 | なし | あり | なし(作成時の売買方針は投資家が決定) |
最小ロット | 5000通貨 | 1000通貨 | 売買できない |
必要な最低資金の目安 | 5万円程度 | 10万円程度 | 売買できない |
シストレ24とトライオートFX/ETFはともに自動売買を行えますが、性質はまったくといっていいほど異なります。
シストレ24の売買ロジックを、投資家側が知ることはできません。対して、トライオートの売買ロジックは最初から明らかにされており、なおかつ自作も可能です。
これは、シストレ24の売買ロジックが、主にテクニカル分析を組み合わせたもの、トライオートFXが、相場で一定の値動きがあるたびに売買を繰り返すものであることの違いによるものです。
ただし、どの自動売買を選択するかが勝敗を分ける点は同じです。
なお、マイメイトは、教科学習を用いたプログラムで、将来的には資産運用できるようになる予定ですが、現時点(2020年11月)ではまだトレードはできません。自身の分身ともいうべき存在なので、自分が使える売買ロジックは1種類のみです。
シストレ24をするのに知っておきたい注意点
シストレ24で取引を行う前に知っておきたい「必要資金」「ロスカット基準」「手数料」「スプレッド」「税金」についてお話しします。
必要な資金は?
まずは、シストレ24を始めるのに最低限必要なお金(必要証拠金)について説明します。
シストレ24は、全通貨ペア最低5k(5,000通貨)から取引が可能です。
例えば、ドル円のストラテジーの場合。
最低限必要な証拠金は5,000ドル分なので、理論上は20,000円から取引を始めることが可能です(1ドル=100円の場合、レバレッジ25倍)。必要証拠金はリアルタイムで計算されます。
ただし上記は、必要証拠金で取引をするために「最低限必要な」金額です。
シストレ24の場合は運用をストラテジーに任せるため、運用中に発生する損失も考慮して多めに資金を入れておくことが鉄則となります。
そこで、シストレ24の場合、必要証拠金の他に推奨証拠金という考えがあります。この推奨証拠金は、各ストラテジー選択の画面で確認することが可能です。
推奨証拠金の具体的な計算方法は下記の2通りがあります。
下記の2通りの金額が多い方をシストレ24上で表示しています。
- (必要証拠金額×最大ポジション数)+過去3か月以内の最大ドローダウン
- 5万円
注意しておくことは、この推奨証拠金はあくまでも目安ということです。
この金額を入れていれば絶対に安心というわけではないので資金管理は余裕をもって十分注意しましょう。
ちなみに、いずれのストラテジーもまずは「6ヶ月以上」運用することでその性格をつかむことができるといわれています。6ヶ月以上という長期運用をするには、やはり余裕をもった入金が必要となります。
インヴァスト証券の公式ページでは、1つのストラテジーで余裕をもって取引を行うための入金額はおおよそ10万~40万円程度(1万通貨=10kの場合)、そしてロスカットにならないよう最低でも50万円以上の入金をおすすめしています。
ロスカットの基準は?
シストレ24の場合、必要証拠金率が100%以上の場合にロスカットされます。
この場合、未約定の注文をすべて取消されて、 すべての建玉が自動決済(ロスカット)されます。
必要証拠金率とは、有効証拠金に対する必要証拠金の割合です。計算式は下記となります。
-
必要証拠金率(%)=必要証拠金÷有効証拠金×100 (小数点以下切り上げ)
※有効証拠金とは、証拠金預託額に評価損益等をプラスした金額のことです。
例えば、10万円を入金して、ドル円の必要証拠金が80,000円だった場合、必要証拠金率は80%(80,000円÷100,000円×100)となります。
手数料はいくら?
シストレ24は、投資助言報酬として10,000通貨につき片道10円の手数料がかかります。
FX会社の裏側の話ですが、裁量取引のサービスのみを行っても顧客がなかなか取引をせず出来高が増えないケースが多くあります。ですので、ストラテジーを選ぶというサービスを提供することによって取引高を増やし会社の収益の安定化につなげようという流れが業界であります。他のFX会社がリピート系の自動売買を多くの広告で宣伝する理由もそこにあります。
今後こういった自動売買のサービスはどのFX会社でも少なからず打ち出してくることになりそうです。
シストレ24のスプレッドは?
シストレ24のスプレッドは、固定制ではなく変動制です。
口座開設後の「MIRROR TRADER(ミラートレーダー)」にログインして確認することができます。
ちなみに直近のスプレッドのレベルは以下です。
ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 | 豪ドル円 |
---|---|---|---|
4銭前後 | 5.6銭前後 | 8銭前後 | 7銭前後 |
他の裁量のFXサービスがドル円0.3銭などで提供しているのと比較するとスプレッドはかなり広いといえます。
シストレで得た利益は税金でどれくらい引かれるの?
シストレ24の税金は、他の一般的な裁量のFXサービスと同様です。
シストレ24で得た利益は雑所得として申告分離課税の対象となります。申告分離課税とは、他の所得とは分離して税額を計算し、確定申告によって納税する課税方式です。
税率は一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%) です。
※復興特別所得税は、平成25年から平成49年末まで上乗せされます。
まずは概算で「利益の20%」と念頭に置いておけば問題ありません。具体的には、1月1日から12月31日までの1年間が対象期間となり、その間に最終的な合計額が年間で20万円を超えた場合に確定申告をする必要があります。
いいストラテジーの選び方
シストレ24の運用は、いかに「いいストラテジーを選べるか」にかかっています。そこで、ストラテジーの具体的な選び方を以下では説明していきます。
まずは「ステータス」をチェック
シストレ24では、各ストラテジーごとに「ステータス」と呼ばれるアイコンがいくつも表示されています。
それぞれのアイコンが「このストラテジーはどんな性格でどんなパフォーマンスなのか」を知る重要な手がかりになります。気になるストラテジーにどんな「ステータス」が表示されているのかをまずはチェックしましょう。
各「ステータス」の詳細はこちらからご確認ください。
通貨ペアにも注意が必要
そして意外と見落としがちなのがストラテジーの対象通貨ペアです。裁量トレードにも当てはまりますが、FXの場合通貨ペアの選定も非常に重要なポイントです。
例えば、ポンド絡みの通貨(GBPJPYやGBPUSD)などは、ボラティリティが高く、大きく利益を上げることもあるけれど、その反面大きな損失も出しやすい傾向にあります。その他、世界情勢によって旬となる通貨もあります。
ストラテジーを選ぶときは、この通貨ペアにも留意してください。まずは、動きが素直なドル円、ユーロ円、ユーロドルなどの通貨ペアから試してみるのがいいかもしれません。
取引履歴もチェック
最後に、各ストラテジーでは取引履歴を見ることもできます。
どんな取引をしているのか、特に直近の取引がどのくらい損益を出しているのかの確認ができます。
さらに大切なのが、そのストラテジーのエントリーから決済までの期間です。
長くポジションを保有するのか、すぐに決済をするのかをこの取引履歴でチェックすることで自分が求めるストラテジーを見つけることができます。
ストラテジーの機能・使い方
次に、ストラテジーを運用していくうえで大切なことを説明していきます。
ストラテジーはどのくらいポジションをもつのか?
各ストラテジーには最大ポジション数というものがあります。
最大ポジション数とは、その名のとおりそのストラテジーが最大で保有するポジション数のことです。最大ポジションが4のストラテジーは、同時に4つまでのポジションを保有します。
具体的には、1ポジション当たりの取引額を10K(1万通貨)に設定した場合、最大ポジション4のストラテジーは40k(4万通貨)まで保有する可能性があるということです。このストラテジーが4つのポジションを保有している場合は、新規建てシグナルは発信されず、またそれ以上のポジションを保有することはありません。
ストラテジーのカスタマイズが自由に行えるのもシストレ24のメリットです。
ストラテジーに乗り遅れても間に合う「ジョイン」とは
さらにシストレ24にはジョインという機能があります。
ジョインとは、パフォーマンスが良いストラテジーに乗り遅れたときでも後から参加できる機能です。
具体的には、ストラテジーが保有しているポジションに途中から参加することができます。
ストラテジーを稼働させたものの、すでに最大ポジション数の建玉を保有しているため、自動売買がなかなか始まらないようなケースでも有効です。
もちろん、ジョインしたときのレートでポジションを保有するので、ストラテジーとまったく同じ取引ではない点に注意が必要です。決済はストラテジーの決済シグナルを利用します。
また、ジョインはあくまでもそのポジションのみでの参加です。そのポジションが決済されるとジョインは終了します。引き続きそのストラテジーを利用したい場合は、ジョインではなくストラテジーをポートフォリオに追加する必要があります。
さらに、自分で逆指値注文(ストップ)や指値注文(リミット)も設定が可能です。
ちなみにジョインとは別に「エクストラ」という機能もあります。
こちらはジョインと本質的には同じ意味です。稼働していないストラテジーに対して行う二度目以降何度もジョインできる状態を「エクストラ」といいます(一度目のエントリーを「ジョイン」という)。すでに稼働しているストラテジーの場合は、一度目から「エクストラ」となります。
エクストラの使い方としては、直近パフォーマンスが良好なストラテジーで、かつそのストラテジーが、比較的取引時間が短めで頻繁に取引を行っている場合、「エクストラ」でエントリーを複数回行い、決済をストラテジーのシグナルに任せるという方法があります。この方法を使えば、パフォーマンスの良いストラテジーを利用して、そのストラテジーが本来発揮する以上のパフォーマンスを上げることが可能になります。
ストラテジーには波があります。調子の良いストラテジーにうまく乗ってエクストラを重ねることで大きな収益を得られるチャンスが広がります。
ストラテジーはどうやって組み合わせればいいのか?
上述しましたが、ストラテジーには波があります。調子の良いストラテジーもあれば調子の悪いストラテジーもあります。選んだストラテジーが永遠に勝ち続けることはないので、不調の場合はストラテジーを入れ替える必要があります。
インヴァスト証券の公式見解でも、「シストレ24の運用では複数のストラテジーを運用することでリスクが抑えられるポートフォリオ効果はあまりない」と実は明言しています。同時に4つも5つもストラテジーを稼働させるのではなく、不調なストラテジーを入れ替えることを重視する方がパフォーマンスの向上につながります。そのためには、ストラテジーを稼働させた後も定期的なチェックを行うことが不可欠です。
入れ替えが自動で行える「フルオート」とは?
入れ替えが大切とはいっても、なかなか定期的にチェックができない方も多くいます。
そんな中、シストレ24ではフルオートという便利な機能があります。フルオートとは、ストラテジーの入れ替え作業を自動的に行ってくれるサービスです。自動で入れ替えることで好調なストラテジーを手間をかけずに選び続けることができます。具体的には、ストラテジーを「直近1ヶ月間」の「実現損益上位」から選択し、入れ替え頻度は1週間に一度などといった設定が可能です。
6,000を超えるストラテジーの中から自分で設定した条件に従ってストラテジーを選び続けることができ他のFX会社には少ないサービスです。
シストレ24でこれだけは押さえておきたい用語を紹介
システムトレードは、裁量トレードとは異なる専門的な用語がたくさん出てきます。
実際にシストレ24を始めるうえで特に押さえておきたい用語を見ていきましょう。
最大ドローダウン
最大ドローダウンとは、ある期間における累積損益pipsから最低累積pipsを引いた額です。
ストラテジーを分析するときに、「過去最大どのくらい損失を出しているのか」ということを把握することができるのでリスク管理に役立ちます。前述しましたが、この考え方は推奨証拠金の算出にも使われている重要な項目です。
プロフィットファクター
プロフィットファクターとは、「実現益÷実現損」で計算されるそのストラテジーがどのくらいの損益を出すのかいわば期待値のようなものです。
例えば、実現益が10万円で実現損が5万円ならプロフィットファクターは2となります。プロフィットファクターが1以上の場合は利益を出しているストラテジーということがわかります。ちなみに、勝率100%の場合はゼロとなります。
シストレ24は、スマホには対応しているのか
インヴァスト証券の「シストレ24」には専用アプリがありませんが、スマホのWebブラウザでは確認が可能です。
ここでは、ストラテジーの稼働・変更・削除などを行うことができます。外出先などでもストラテジーのチェックや入れ替えができるのはとても便利です。
デモ口座について
シストレ24はデモ口座もあります。
初めての方には敷居が高いシステムトレードなので、一度デモトレードを行って慣れておくことは大切です。デモトレードは30日間利用可能です。申し込みの際に仮想資金10万円から100億円の間で設定をして運用を試すことができます。
デモトレードは、「もうけてやろう」ということよりも操作方法などの習得に重点を置きましょう。本番ではできないようなこともデモトレードではできます。いろいろ使ってみて本番口座でいいスタートダッシュが切れるようにしましょう。
デモ口座で1点注意点があります。
シストレ24のデモ口座は、インヴァスト証券の口座開設をした方のみ申し込みが可能です。システムトレードを試してみたいのであればまずはインヴァスト証券の口座に申し込む必要があります。
口座開設手数料や口座維持費はかかりませんので、この機会に口座開設しておくことをおすすめします。
口座開設は具体的にどうやって行えばいいの?
「シストレ24の口座開設のやり方はどうすればいいのか?」について解説していきます。
口座解説は他のFX会社と同様のフローです。
- インヴァスト証券のページにアクセスし「口座開設」のボタンをクリック
- シストレ24の場合、「店頭取引口座申込み」をクリック
- 規約・約款を確認して同意の欄にをチェックし、申し込みフォームに情報を入力
- 本人確認書類とマイナンバー確認書類の画像をアップロード(電子メール、郵送、FAXでも可)
申し込み自体は10分程度で完了します。その後、登録の住所にIDとパスワードが記載された書類が発送されます。
インヴァスト証券は、新規の口座開設で、キャッシュバックをしたりオリジナル冊子がもらえたりとキャンペーンを積極的に行っています。
先ほどもいいましたが、口座開設手数料や口座維持費などはかかりません。
口座開設をしておくとデモ口座の開設ができたり、チャンスのときにすぐにトレードを開始することができるので気になる方は早めに口座開設することをおすすめします。
この記事のまとめ
シストレ24はシステムトレードなのでどうしても「難しそう」というイメージがつきまといます。
ただ、用語を一つ一つ理解して、デモトレードで十分な経験を積めば難しすぎるものではありません。ストラテジーをうまく使うことで裁量のみのFXでは得られないチャンスを手にするなど取引の幅が広がります。
気になる方はまずは口座開設をしてみてください。