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バイナリーオプションとは二者択一方式の投資
バイナリーオプションとは、FX取引の一種(デリバティブ取引)です。
バイナリーオプションの具体的な取引方法は、数時間後(判定時刻)の為替レートが、あるレートより「高いか」「低いか」を予測するという、二者択一方式の取引方法です。
- バイナリー(binary)=二進法
- オプション(option)=オプション取引(権利を買う取引)
例えば、現在のドル円レートが100円の場合、「2時間後(判定時刻)に100円より高いか、低いか」を予測して取引し、予測どおりであればペイアウトされることになります。
この二者択一方式が多くの個人投資家に受け入れられており、現在では、多くのFX会社でこのバイナリーオプションのサービスが提供されています。
バイナリーオプションとFXってどう違うの?
バイナリーオプションとFXの違いを表にまとめました。
バイナリーオプション | FX | |
---|---|---|
必要最低資金 | 約50~999円* | 約4,000円(1ドル=100円でレバレッジ25倍の場合) |
ロスカット | なし | あり |
1取引にかかる時間 | 2~3時間が一般的 | 数秒から数か月と自由 |
レバレッジ | なし | 最大25倍 |
利幅 | 限定されている | 制限がない |
投資金額以上の損はないってどういうこと?
バイナリーオプションでは、結果が予測をはずれた場合の損失額はチケット購入金額となります。つまり、購入した金額以上の損失を被ってしまうということはありません。
同じチャートの動きにおける、FXとバイナリーオプションの損失額を見てみましょう。FXとバイナリーオプションでは損失に大きな差が見られます。バイナリーオプションは損失がチケット購入金額に限定されている分、損失額が明確でしょう。
予測どおりに相場が動いた場合のみ、チケット購入金額とペイアウト金額の差額を受け取ることができます。
バイナリーオプションを始めるときやってはいけない2つのこと
バイナリーオプションではこの2つに要注意
- 無登録の海外業者は利用しない
- 自動売買ツールは利用しない
出金トラブル続出?無登録の海外業者は原則NG
バイナリーオプション取引を行う口座からは、本来であればそのまま出金することが可能です。
しかし、海外のバイナリーオプションを取り扱う業者による、出金に応じないなどのトラブルが実際に相次いでおり、国民生活センターや金融庁が注意喚起を行っています。
例えば、出金に10日から数ヶ月かかるケースがあったり、本人確認書類やその他の書類を送らなければいけなかったりと、お金をなかなか引き出せないような被害が頻出しています。
これらの海外の業者は日本の金融庁の管轄ではなく、金融商品取引業への登録が無登録であることがほとんどです。
見極め方としては、判定時刻までのスパンです。一般的には2時間後のレートの動きを予測しますが、そのスパンが短期間(※1分や5分後のレートを予測するなど)のサービスを提供している場合は、日本で登録されている業者ではなく、無登録の業者ですので注意してください。
バイナリーオプションを行うなら、国内の金融庁に登録している業者を選んだ方がいいでしょう。
バイナリーオプションの自動売買ツールは利用しない
国内の優良業者で、バイナリーオプションの自動売買ツールを使えるところはほとんどありません。また、原則として、FX会社ではそういったツールの使用を推奨していません。
インターネット上では多くの「勝率99%」「毎月30万円保証」などとうたった広告が散見されるものの、そういったものには手を出さない方が得策です。
どの会社を選ぶ?3社のバイナリーオプションを徹底比較
IG証券の「バイナリーオプション」
先述したとおり、海外のFX会社では、バイナリーオプションの取引によるトラブルが近年増加しています。 運用成績以前に、トラブルに巻き込まれてしまうと元も子もありません。そのため、どのFX会社を選ぶかというのはとても重要です。
バイナリーオプション取引が出来る国内のFX会社1社目は日本で初めてバイナリーオプションを提供したIG証券。世界中の取引所ネットワークをカバーすることで、23の取引銘柄を扱っています。
国内で唯一、FXはもちろん、主要株価指数(日経平均、NYダウ)、コモディティー(金、原油)もバイナリーオプションで取引できます。
またバイナリーオプションの種類もラダー、レンジ、ワンタッチと、3種類が利用可能です。1回当たりの取引ロット数や、1日当たりの取引ロット数に上限がないことも特徴の一つです。
代表的なものが「ラダーオプション」。目標レート(権利行使価格)が判定レート(満期)より高いか・低いかを予測します。
また、多彩な相場シーンで取引できるのが「レンジオプション」と「ワンタッチオプション」です。
「レンジオプション」は判定時間内の為替レートの推移が、あらかじめ設定されたレンジ内で収まるか否かを予測します。
「ワンタッチオプション」は判定時間内の為替レートが、あらかじめ設定された目標レートに一度でも到達するかを予測します。
特に最近FX投資家の間で注目されているのがノックアウト・オプション。通常のバイナリーオプションと同時に口座申し込み・開設が可能なので、こちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。
FXプライムbyGMOの「選べる外為オプション」
バイナリーオプション取引が出来る国内のFX会社2社目はFXプライムbyGMOの選べる外為オプションです。「選べる外為オプション」はグループ会社であるGMOクリック証券の、「外為オプション」を元に開発したバイナリーオプションです。取引画面もツールにも大きな差はみられません。
「外為オプション」との大きな違いは判定時間と判定時刻。
判定時間とは、1回号の受け付け開始から判定時刻までの長さですが、「外為オプション」は最大3時間であることに対し、「選べる外為オプション」は2時間で判定が終わります。
また、判定時刻は「外為オプション」が午前11時から、午後1時、午後3時と、奇数時間であり、「選べる外為オプション」は午前10時から、午後12時、午後2時と1時間ずつ早いです。
GMOクリック証券の「外為オプション」
バイナリーオプション取引が出来る国内のFX会社3社目はGMOクリック証券(※サービス名は「外為オプション」)です。GMOクリック証券は、海外口座ではトラブルが多い出金についても、しっかり処理してくれます。
インターネット上ですぐに口座開設の申し込みが可能で、最短だと1営業日で取引が可能になります。また、スマートフォン専用アプリでの取引も可能なので、外出先でも、チャンスがあればトレードすることができます。
ここからは、実際にバイナリーオプションを始めるうえでの基礎やメリット、デメリットをご説明します。
バイナリーオプションの特徴
バイナリーオプションで投資する2つのメリット
- 仕組みが複雑ではなくわかりやすいこと
- 支払った金額以上の損をしないこと
バイナリーオプションを取り扱う国内業者では、バイナリーオプション金額が変動するチケットを購入する仕組みになっています。
購入分しか投資できないので、FXのようにレバレッジをきかせて実際の投資額以上のお金を投資する、といったことはできません。
例えば、600円を払って、2時間後(判定時刻)のドル円が「100円より低い」と予測したとします(※1回分のチケット購入のペイアウト金額は1,000円に固定)。
2時間後(判定時刻)に予測が外れ、ドル円が「100円より高い」場合は600円が没収されます(600円の損失)。
一方、予測どおり「100円より下」なら1,000円が支払われます(400円の利益)。損益計算が難しいFXと違い、仕組みはとてもわかりやすいと言えるでしょう。
また、FXの場合、相場の急変により思わぬ方向にレートが動いてしまい、想像以上の損失を被ることがありますが、バイナリーオプションはあらかじめ損益の幅が決まっているので支払ったお金(購入金額)以上に損をすることはありません。
バイナリーオプションで投資する2つのデメリット
- 損失は固定だが、利益の幅も限定されてしまう
- 決裁までの期間を自分で決められない
例えば、あなたは数時間後(判定時刻)にドル円が「100円より高くなる」と考え、実際にドル円が大きく上昇したとします。その場合、たとえ「105円」になったとしても、バイナリーオプションの場合、「100円01銭」のときとペイアウト金額は変わりません。
上昇したか、下落したかで判断され、上がり幅や下がり幅を無視されてしまうということは、利幅が限定されてしまうというデメリットでもあります。
また、日本国内業者のバイナリーオプションは一つの回号(投資機会・取引時間)が2~3時間であることが多いので、自由な時間軸での判断ができなくなってしまうのもデメリットとなります。
バイナリーオプションのハウツー
まずはデモトレードで感覚をつかむ
バイナリーオプションがどういったものかを知るには、まずは直接取引をしてみることです。そのためには、デモ取引を行うのが近道です。多くのFX会社では、無料でデモ取引を提供しています。
例えば、GMOクリック証券のバイナリーオプション(サービス名は「外為オプション」)では、登録が必要なく、Webサイトにアクセスすればでデモ取引をすることが可能です。
何回かデモ取引を重ねていけば、「バイナリーオプションとはこんな感じなのか」とイメージをつかめるでしょう。
無料ですぐに始めることができるので、一度試してみてはいかがでしょうか。
FX取引と併用してリスクヘッジ
FX取引とバイナリーオプションを組み合わせることにより、リスク分散ができます。
具体的には、FX取引とは逆サイドのオプションをバイナリーオプションで購入すれば、リスクヘッジが可能です。例えば、「2時間後に上昇する」と予測し、100円のときにFX取引で1万ドルのロングポジション(買いポジション)を保有したとします。
その場合、2時間後に「100円より下」というプットオプション(売る権利)を、300円×10口=3,000円分購入します。このプットオプションが、リスクヘッジとして機能します。
その後、2時間が経って100円40銭になっていた場合、FX取引では4,000円の利益、バイナリーオプションは3,000円の損失で、合計1,000円の利益となります。
一方、99円60銭になっていた場合、FX取引は4,000円の損失、バイナリーオプションは7,000円(10,000円ー3,000円)の利益なので、合計3,000円の利益>になります。
このように、FX取引で損する場合に備えて、リスクヘッジとしてバイナリーオプションを取り入れることで、どちらに転んでも損失を抑える取引も可能になります。
こういったバイナリーオプションに似たオプション取引方法を利用しての取引は、プロの投資家でもよく行われている手法です。
バイナリーオプションを始めるなら知っておきたい基本の専門用語
オプション価格の計算に利用される「ブラック・ショールズ・モデル」
「ブラック・ショールズ・モデル」とは、バイナリーオプションの購入金額を形成するための方程式です。
例えば、バイナリーオプションでは「2時間後(判定時刻)に100円より上」になる権利(コール)が刻々と変化しています(600円や650円、700円など)。
この価格を形成するために、ブラック・ショールズモデルという方程式をFX会社は利用しています。利用といっても、計算式が入っているエクセルやシステムにより、各回号の購入金額が決まるのです。
また、過去のボラティリティ(価格の変動率)では測れない、未来の重要経済指標やイベントなどもあらかじめリストアップしています。
こういったイベント時には急激な価格変動が起きることが予測されるので、その回号時に合わせて購入金額を変えるということも行っています。
例えば、現在のレートが100円だとして、5時間の間に10銭ほどしかドル円のレートが動いていない相場であったとしても、21時30分にアメリカの雇用統計(※)の発表があれば、その直後に大きく動くことが予測されます。
※毎月発表されるアメリカの雇用に関する指標であり、同国では雇用状況を改善することが金融政策において重視される。統計の中でも、特に非農業部門雇用者数と失業率が注目されている。
その場合、「101円より上」や「99円より下」の極端なレートの権利が30円や50円だと、事業者側にとって不利になるので(30円を投資して、1,000円のリターンがトレーダーに返ってくる可能性が高い)、コールの価格を900円や950円へと大きく上げる必要があります。
実は、バイナリーオプションの提供当時は単純なブラック・ショールズの計算に終始し、こういった未来のイベントを織り込んでいないFX会社が多くありました。
そこで、そういったイベントがある回号を狙い、「101円より上」や「99円より下」の現在のレートから離れた極端なレート(アウト・オブ・ザ・マネーという)の取引で大きく利益を上げるトレーダーが増えたため、最近ではこういったイベントを欠かさずしっかりと織り込むようになりました。
権利を売買する「コールオプション」と「プットオプション」
バイナリーオプションにおけるコールオプションとは「買う権利」、プットオプションは「売る権利」のことです。
2時間後(判定時刻)にドル円が「100円より上」になる権利を600円で買うことを「コールを買う」、2時間後(判定時刻)にドル円が「100円より下」になる権利を500円で買うことを「プットを買う」といいます。
FX会社によっては、トレーダーにわかりやすくするため、コールオプションを「ハイ(High)」や「上」、プットオプションを「ロー(Low)」や「下」と表現することもあります。
【注意事項】
- 「エフプロ」におけるこのページは、株式会社キュービック(以下、「当社」といいます)がバイナリーオプション取引及びバイナリーオプション取引の取扱事業者等に関する情報を提供することを目的としたものであり、バイナリーオプション取引の勧誘を行うものではありません。
- お客さまが、バイナリーオプション取引を行う際には、取引の仕組みを理解し、取引に伴うリスクについて十分研究し、自己の資力、取引経験、取引目的等に照らして適合性があると判断する場合にのみ、お客さまご自身の責任において行うようご注意ください。
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- お客さまは、上記注意事項のほか「エフプロ」利用規約をご一読くださいますようお願いいたします。
この記事のまとめ
【ポイント】バイナリーオプションの会社選びで気をつけた方がいいことは2つ。
- 出金トラブルの多い海外業者を選んでしまうこと
- 自動売買ツールを使用すること
バイナリーオプション取引はFXの取引高が世界第1位*のGMOクリック証券をはじめとする、国内のFX会社を選択することでトラブルを減らせます。
*
バイナリーオプションは、数時間後の為替レートが高いか低いかを予測する二者択一方式の投資で、予想通りにいかなかった場合の損失額は購入したチケットの金額です。
バイナリーオプションがどういったものかを知るには、無料のデモトレードが近道です。
この記事の執筆者
FXライター
鹿内武蔵
略歴
国内唯一の月刊FX情報誌、FX攻略.comの元副編集長として、2008年の創刊時より取材・編集・執筆に携わる。 多くの勝ち組トレーダーや証券会社を取材してきた経験を活かし、FXが国民的投資になることを目標に活動中。各種メディアでの執筆の他、トレーダーとしてFXの運用も行っている。 →エフプロ執筆者・監修者一覧