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【第10回】相場の動きの裏に潜む巨大投資家・個人投資家・一般企業の特徴

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市場は、個人投資家・実需・大口投資家など、いろいろな参加者がいて成り立っています。個人投資家として自覚しなければならないのは、自分自身も「投機筋」の一人だということ。

投機筋には、アメリカ系のファンド(限られた投資家から資金を募り投機的に運用)、アラブの富豪といった大口投機筋もいますが、個人投資家もまた投機筋です。 したがって、投機筋の一人として自分にはどういう特性があるかを知っておく必要があります。

端的に言えば、売りでエントリーしたら利食いか損切りのために買い戻さなければならず、買いでエントリーしたら、利食いか損切りのために売り戻さなければならないということです。 つまり、「売りと買い」あるいは「買いと売り」がワンセットで成り立つのが、投機筋のトレード。余程の資金余力がない限り、そんなに長くはポジションを持てません。

そのため、投機筋だけのマーケットでは一方向へのフロー(資金の流れ)は長くは続かず、行ったり来たりのレンジ相場になりやすいと言えます。 投機筋だけでは、相場は足の引っ張り合いになりがちなのです。

そこで、大きなフロー(資金の流れ)を作る存在となるのが大口の投資家です。ここでいう大口の投資家とは、政府系ファンド・ペンションファンド・機関投資家・中央銀行などが挙げられます。

政府系ファンド

各国政府が出資するファンド。ADIA(アラブ首長国連邦のアブダビ投資庁)、GIC(シンガポール政府投資公社)などが代表格。

ペンションファンド

将来の年金の支払いのために資産運用するファンド。ノルウェー政府年金基金やCalPERS(カルパース、カリフォルニア州職員退職年金基金)が代表格。

機関投資家

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人、ペンションファンドとも言える)、郵貯銀、かんぽ生命や三大共済などのような公的な機関投資家と生保のような民間の機関投資家に大別される。

中央銀行

各国中央銀行、直接資産運用する中央銀行もある。


彼らは投資方針が決まるまではピクリとも動きませんが、いったん決まると怒涛の勢いで資金を一方向に移動させ、相場にトレンドを作るという特徴があります。 彼らの方針が決まるのは、期初から1カ月目ぐらいになることが多く、最初の1カ月間は投機筋だけのレンジ相場が続きますが、1カ月目から一方向に資金を動かし始めます。

(ここでいう期初とは、12月末から1月初めの欧米勢の新年度、4月の日本勢の新年度、9月の欧米勢の実質的な下期のスタートなど)

中東・ロシア・中国あたりの政府系ファンドや中央銀行から資金移動の指示が出ているもようで、過去には、2002年から2008年までの6年間でユーロ/ドルで7000ポイントもの上昇相場がありました。その時も、中東・ロシア・中国が大きく買いで動き、エターナル・バイヤー(永遠の買い手)などとも呼ばれました。

大口の投資家の他に、マーケットの参加者には忘れてはならない「実需」もあります。実需には、輸出企業と輸入企業があります。

日本における輸出企業の代表格は自動車会社で、製品を輸出した代金を主にドルなど外貨で受け取り、国内で使うために、円に換えます(ドル売り円買い)。

一方、輸入企業の代表格は石油会社で、海外から輸入した原材料や製品の代金を海外に支払うため、銀行で主にドルなど外貨を買います(ドル買い円売り)。

彼らの取引形態は、投機筋とはかなり違います。

投機筋の場合、「売りと買い」あるいは「買いと売り」でワンセットでしたが、輸出企業の場合は、ドルを売って円を買えば取引完了です(売りっぱなし)。 輸入企業の場合は、ドルを買って円を売れば取引完了です(買いっぱなし)。

ですから、投機は瞬間的に実需に利益が出ても、長い目ではなかなか難しいというのが実情。たとえば、輸出企業の売りを投機が買ったら輸出企業はそれで取引完了ですが、投機はどこかでは売り戻さなければならないからです。

大口投資家にしても、いずれは資金を戻してきますので、長い目では実需にはなかなか利益を上げられないものです。

以上のように、自分自身を含め市場の参加者のそれぞれの特徴を掴まなければ利益は上げられないということを心しておきましょう。

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