ドル/円相場
ドル/円 1時間足(脈絡のない先週の動き)
16日は、前週末の米中合意からリスクが回避された(リスクオン)として、ドル/円は上昇しました。
17日は、リスクオンムードが続き、高値トライをしつこくやっていましたが、それによりマーケットのポジションは徐々にロング(買い持ち)に。
19日になり、発表された2月のフィラデルフィア連銀景況指数が予想を大きく下回ったことから、今度はロングが投げることになりました。
そして20日は、米中合意からの先高観から米株が史上最高値を更新したのに連動して小反発。
もっともらしい理由があって動いているようにも見えますが、要は、マーケットのポジションが一方に偏って揺り戻しが出ているに過ぎません。
つまり、クリスマス休暇のため「短絡的な投機筋しかマーケットに残っていない」ということです。全体的には大きな方向感の出ない相場付きとなりました。
ポンド/円相場
ポンド/円 1時間足
12月17日、ブレグジット移行期間について「2020年末で終了させると法律に明記する」方針をジョンソン首相が決定したため、2020年末における「合意なき離脱」のリスクが再燃。急反落しています。
実際にこの法案は20日に可決されましたが、20日は安値圏をなんとか維持しました。
ユーロ/円相場
ユーロ/円 1時間足
12月20日、マーケットでECBが追加緩和に向かうとの見方が急浮上したため下落しています。
ワンポイント
- 現状のユーロ景気からは考えにくいことですが、もし引き締め(金利上昇など)となれば、サプライズと共に、金利を意識したユーロ買いで急上昇すると思われます。
基本的には以前から言われていたことですし、また、現在の世界の金融政策の趨勢ともいえ、それほど驚くべきことではないと思います。
むしろ、クリスマス前のこの時期に突然出て来た話として、まさに、12月27日からの欧米勢の新年度スタートからの年末年始の投機相場のターゲットとしてユーロが狙われているのかもしれないという印象です。
総論
クリスマスの前週ということで、マーケットにトレンドを作る、大口投資家が休みに入り、また、インターバンクも若手陣中心ということで、非常に目先的な動きに集中しています。
大口投資家
- 政府系ファンド(政府の運用機関)、年金運用のペンションファンド、生保など機関投資家、中央銀行などを言います。
相場に、トレンドという一方向の流れができるためには、こうした大口投資家のフロー(資金の流れ)が必要です。
フローは、高利回りのような資金を運用するのに魅力のある国・地域への流入や、逆に資金を預けている国・地域にリスクを感じて流出するもので、いったん方向が決まると、大河のようなもので、その流れに逆らうことができないほどのものです。
短期の投機筋が売ったり買ったりしてもトレンドにはならず、行ったり来たりのレンジ相場が続くばかり。クリスマス時期で大口投資家が動いていない以上、レンジ相場に陥るのは至極当たり前と言えます。
ただし、12月27日から欧米勢の新年度が始まると、今年の1月3日にドル/円で起きたフラッシュクラッシュ(急落急反発)のような、投機筋による大々的な投機相場が発生することが多く、警戒が必要です。
つまり、ボクシングデー(12月26日)までのクリスマス休暇相場と12月27日からの年末年始の投機相場とでは、マーケットの緊張度が全く異なりますので、気持ちの切り替えが必要です。