ストップロスは狭ければいいものではない
アゲンストのポジションを持ったまま身動きできずにいることは、時間を浪費するばかりで生産性がありません。ダメだと思ったら、小さなポジションでも見切りをつけることが大切。放置して大きな損失を被るのは避けたいところです。
では、「どこにストップロスを置くべき」なのでしょうか。
ただただ「損をしないように」だけを考え、あまりにもタイトにストップロスを置くと、トレードがぶつぶつ中断してしまいがち。相場に乗るリズムが崩れてしまうことにもなりかねません。
そこで、参考として私のストップロスの設定法についてお話ししたいと思います。
元為替ディーラーのストップロスの設定方法
最初に紹介するのは、以前上司から聞いた「米系ファンドがトレーダー達にやらせているロスカット点設定の方法」。
まず、自分が勝ったポジションだけを抽出します。そして記憶ベースで良いので、そのポジションを持ってから閉じるまでの、アゲンスト幅をおおまかに算出し、抽出したデータを件数で割り平均値を出します。
私の場合、半年分のデータを平均化したところ「35ポイント」という、イメージしたよりも狭い値幅になりました。
そのときに悟ったのは「勝ったポジションは、それ程アゲンストにはならない」ということ。
そこで、10ポイントの遊びを作って、持ち値の45ポイントアゲンストにストップロスを入れることにして長い期間やってきました。
ところが長くやってみて感じたのは、やはり「ストップロスがついて流れが中断すること」に対する苛立ちだったのです。
そこで、以下のように決めました。
現在は持ち値の90ポイントに設定
ストップロスは、持ち値の90ポイントアゲンストに置くことにしました。
不測の事態が発生した時のために、やはりストップロスは最低限入れておく必要があるからです。
ただし、経験も積みリスクの怖さは十分わかっているので、45ポイント前後のアゲンストになったらストップロスに頼らず、自分で切るか続けるかを判断することにしました。
「自分のポジションを切るかどうかを、自分の意思で決める」ということです。
言い換えれば、自分が持つポジションが相場のリズムに合っているかどうかは自らが判断するということ。
そうすれば、ダメとわかればスパッと未練を残さず切ることができます。
ストップロスで自動的に損切りをした時の気持ちは複雑
ストップロスに頼って損切った後の気持ちは、実は複雑です。
「ストップロスを置いた水準に間違いはなかったのか、自分だけ馬鹿を見ているのではないか」など、悶々とするものです。
しかし、自分の意思で判断して切った時は、腹が据わっていますからさっぱりしたものです。
いずれにしても、相場はわだかまりを後に引っ張ってはいけません。
明るく次のことを積極的に考えることが実に大事です。
自身のレベルに合わせることが重要
私が「経験値に応じてやり方を変えてきている」ことは、お分かりいただけたかと思います。
初級者であれば、まずは、35ポイントあるは45ポイントにロスカットを設定して始めてみましょう。
ご自身の経験度が深まるのに連れ、今回お話ししたような、ストッププロスを深めにおいて、相場状況に応じてストップロスを自ら機動的に応用できるようになればと思います。