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【第14回】元為替ディーラーのストップロス(逆指値注文)の設定方法

思惑がはずれて、ポジションがどんどんアゲンスト(不利)になっていくとき、あらかじめストップロス(逆指値注文)を設定していれば、思い悩むことなく自動的に損失を確定できます。

以前の個人投資家は、ストップロスを設定しないことがよくありました。アゲンストになると「(ポジションを)冷蔵庫に入れる」とか、「布団をかぶって嵐の通り過ぎるのを待つ」といったことも普通でした。

しかし最近は個人投資家の間でもストップロスを設定することが当然になり、大きな改善だと思います。

執筆者

水上紀行さん

外国為替ストラテジスト

水上紀行

MIZUKAMI NORIYUKI
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ストップロスは狭ければいいものではない

アゲンストのポジションを持ったまま身動きできずにいることは、時間を浪費するばかりで生産性がありません。ダメだと思ったら、小さなポジションでも見切りをつけることが大切。放置して大きな損失を被るのは避けたいところです。

では、「どこにストップロスを置くべき」なのでしょうか。

ただただ「損をしないように」だけを考え、あまりにもタイトにストップロスを置くと、トレードがぶつぶつ中断してしまいがち。相場に乗るリズムが崩れてしまうことにもなりかねません。

そこで、参考として私のストップロスの設定法についてお話ししたいと思います。

元為替ディーラーのストップロスの設定方法

最初に紹介するのは、以前上司から聞いた「米系ファンドがトレーダー達にやらせているロスカット点設定の方法」。

まず、自分が勝ったポジションだけを抽出します。そして記憶ベースで良いので、そのポジションを持ってから閉じるまでの、アゲンスト幅をおおまかに算出し、抽出したデータを件数で割り平均値を出します。

私の場合、半年分のデータを平均化したところ「35ポイント」という、イメージしたよりも狭い値幅になりました。
そのときに悟ったのは「勝ったポジションは、それ程アゲンストにはならない」ということ。

そこで、10ポイントの遊びを作って、持ち値の45ポイントアゲンストにストップロスを入れることにして長い期間やってきました。

ところが長くやってみて感じたのは、やはり「ストップロスがついて流れが中断すること」に対する苛立ちだったのです。

そこで、以下のように決めました。

現在は持ち値の90ポイントに設定

ストップロスは、持ち値の90ポイントアゲンストに置くことにしました。
不測の事態が発生した時のために、やはりストップロスは最低限入れておく必要があるからです。

ただし、経験も積みリスクの怖さは十分わかっているので、45ポイント前後のアゲンストになったらストップロスに頼らず、自分で切るか続けるかを判断することにしました。

「自分のポジションを切るかどうかを、自分の意思で決める」ということです。

言い換えれば、自分が持つポジションが相場のリズムに合っているかどうかは自らが判断するということ。
そうすれば、ダメとわかればスパッと未練を残さず切ることができます。

ストップロスで自動的に損切りをした時の気持ちは複雑

ストップロスに頼って損切った後の気持ちは、実は複雑です。

「ストップロスを置いた水準に間違いはなかったのか、自分だけ馬鹿を見ているのではないか」など、悶々とするものです。

しかし、自分の意思で判断して切った時は、腹が据わっていますからさっぱりしたものです。

いずれにしても、相場はわだかまりを後に引っ張ってはいけません。
明るく次のことを積極的に考えることが実に大事です。

自身のレベルに合わせることが重要

私が「経験値に応じてやり方を変えてきている」ことは、お分かりいただけたかと思います。

初級者であれば、まずは、35ポイントあるは45ポイントにロスカットを設定して始めてみましょう。

ご自身の経験度が深まるのに連れ、今回お話ししたような、ストッププロスを深めにおいて、相場状況に応じてストップロスを自ら機動的に応用できるようになればと思います。

この記事の執筆者

水上紀行さん

外国為替ストラテジスト

水上紀行

MIZUKAMI NORIYUKI

略歴

1978年三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。 1983年よりロンドン・東京・ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。 現在、外国為替ストラテジストとして雑誌・テレビ・ラジオなどで活躍中。 著書に『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』(すばる舎)『FX常勝の公式20』(スタンダーズ)『知識ゼロでも1時間で稼げるようになるFX入門 2018』(スタンダーズ)などがある。 →エフプロ執筆者・監修者一覧

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