移動平均線の不思議
レジスタンスにも、サポートにもなる不思議
まず、どうして移動平均線がレジスタンス(上の抵抗線)になったり、サポート(下の抵抗線)になったりするのかが不思議です。
ドル/円 1時間足この例では、極短期の5時間移動平均線が、しっかりと直近の5時間をサポートし、1時間足の下値が切り上がっていることがわかります。
ドル/円 月足そうかと思えば、超長期の200カ月移動平均線が、ピタリとサポートになっていることもあります。
移動平均線は、極めて単純です。
たとえば、5時間移動平均線は、過去5時間の引け値を足して期間で割った平均値。1時間が経てば、一番古い引け値を除いて、新しい引け値を加えて平均し直して線を伸ばしているのに過ぎません。つまり、実に単純であり、まやかしの効かないものです。
それがピタリと相場を止めているのですから、不思議です。
レジスタンス、サポートでなくなる時
さらに申し上げますと、5時間移動平均線を実体(ローソク足の寄り付きと引けの間の太い部分)で割り込むと、あれだけサポートされていたはずの上昇トレンドが、もろくも崩れて反落するということです。
EUR/USD 1時間足さらに、不思議は続きます。
相場の動き出すタイミングを知らせる
複数の移動平均線(ここでは、5、10、25、90、120本)が収束してくると(集まってくると)相場が大きく一方向に動き出すことを示します。
NZD/JPY 2時間足丸で囲んだ部分で、複数の移動平均線が収束していることが分かります。
そして移動平均線の収束後、この場合であれば急騰しています。
つまり、移動平均線の収束は、相場が動き出すことを示しているのです。
こういった現象は例外的ではなく、ごく当たり前に起きていますので有効に活用できます。
「相場がどちらに動くか」を判断するためにはご自身の相場観や他の分析ツールが必要になりますが、動き出すタイミングが分かるだけでも大変有効です。
言ってみれば緊急地震速報のようなもので、油断している状態と比べれば、身構えていられるだけでも大きな違いがあります。もちろん成績にプラスに作用してきます。
移動平均線は決して新しい分析法ではありませんが、ここでお話ししたような不思議な能力がありますので、初心者の方は早いタイミングから慣れ親しんでおきましょう。
トレーダーは「考える」ことも大切ですが、儲かるツール、あるいは役に立つルールであれば、まずは試してみることが大事だと思います。
どうぞ、使って慣れてみてください。
記事のまとめ
- 移動平均線には不思議な能力がある
- 移動平均線は、レジスタンスやサポートになる
- それがブレイクすれば、反動も大きい
- 複数の移動平均線の収束は、相場の動き出すタイミングを示す