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【第15回】シンプルだけど不思議な力をもつ移動平均線の事例と活用法

長年付き合えば付き合うほど、チャートには不思議さを感じます。今でも「どうしてこのチャートが動きを教えてくれるのか?」と思うことがよくあります。

中でも移動平均線は、単純ですが相場の真理を突いてくるような感じがして、興味が尽きません。今回はチャートの中でも移動平均線に絞って、お話ししたいと思います。

執筆者

水上紀行さん

外国為替ストラテジスト

水上紀行

MIZUKAMI NORIYUKI
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移動平均線の不思議

レジスタンスにも、サポートにもなる不思議

まず、どうして移動平均線がレジスタンス(上の抵抗線)になったり、サポート(下の抵抗線)になったりするのかが不思議です。

ドル/円 1時間足 ドル円1時間足の画像

この例では、極短期の5時間移動平均線が、しっかりと直近の5時間をサポートし、1時間足の下値が切り上がっていることがわかります。

ドル/円 月足

そうかと思えば、超長期の200カ月移動平均線が、ピタリとサポートになっていることもあります。

移動平均線は、極めて単純です。

たとえば、5時間移動平均線は、過去5時間の引け値を足して期間で割った平均値。1時間が経てば、一番古い引け値を除いて、新しい引け値を加えて平均し直して線を伸ばしているのに過ぎません。つまり、実に単純であり、まやかしの効かないものです。
それがピタリと相場を止めているのですから、不思議です。

レジスタンス、サポートでなくなる時

さらに申し上げますと、5時間移動平均線を実体(ローソク足の寄り付きと引けの間の太い部分)で割り込むと、あれだけサポートされていたはずの上昇トレンドが、もろくも崩れて反落するということです。

EUR/USD 1時間足

さらに、不思議は続きます。

相場の動き出すタイミングを知らせる

複数の移動平均線(ここでは、5、10、25、90、120本)が収束してくると(集まってくると)相場が大きく一方向に動き出すことを示します。

NZD/JPY 2時間足

丸で囲んだ部分で、複数の移動平均線が収束していることが分かります。
そして移動平均線の収束後、この場合であれば急騰しています。

つまり、移動平均線の収束は、相場が動き出すことを示しているのです。
こういった現象は例外的ではなく、ごく当たり前に起きていますので有効に活用できます。

「相場がどちらに動くか」を判断するためにはご自身の相場観や他の分析ツールが必要になりますが、動き出すタイミングが分かるだけでも大変有効です。

言ってみれば緊急地震速報のようなもので、油断している状態と比べれば、身構えていられるだけでも大きな違いがあります。もちろん成績にプラスに作用してきます。

移動平均線は決して新しい分析法ではありませんが、ここでお話ししたような不思議な能力がありますので、初心者の方は早いタイミングから慣れ親しんでおきましょう。

トレーダーは「考える」ことも大切ですが、儲かるツール、あるいは役に立つルールであれば、まずは試してみることが大事だと思います。

どうぞ、使って慣れてみてください。

記事のまとめ

  • 移動平均線には不思議な能力がある
  • 移動平均線は、レジスタンスやサポートになる
  • それがブレイクすれば、反動も大きい
  • 複数の移動平均線の収束は、相場の動き出すタイミングを示す

この記事の執筆者

水上紀行さん

外国為替ストラテジスト

水上紀行

MIZUKAMI NORIYUKI

略歴

1978年三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。 1983年よりロンドン・東京・ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。 現在、外国為替ストラテジストとして雑誌・テレビ・ラジオなどで活躍中。 著書に『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』(すばる舎)『FX常勝の公式20』(スタンダーズ)『知識ゼロでも1時間で稼げるようになるFX入門 2018』(スタンダーズ)などがある。 →エフプロ執筆者・監修者一覧

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