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【第17回】マーケットからの退場リスクが高く禁じ手と言われる手法

基本的に、どういったトレードをするのかは、トレーダーの裁量次第です。

しかし、手法によってはマーケットからの退場にもつながってしまう、怖いものもあります。警告の意味を込めて、ご紹介したいと思います。

執筆者

水上紀行さん

外国為替ストラテジスト

水上紀行

MIZUKAMI NORIYUKI
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ナンピンは禁じ手

まず、ナンピンとは何かについて、お話しします。

ナンピンとは?

たとえばドル/円で、上げを狙ってドルのロングポジション(買い持ち)を1万ドル、108.60円で作ったとします。しかし、意に反して相場は下がり、108.10円になりました。
そこで再度、108.10円で1万ドルの買いポジションを作ります。

結果、ポジションは2万ドルになり、買い値の平均は108.35円になります。
このように「予想に反した相場動向の際、追加で買い増しすることで平均価格を優位にする手法」をナンピン(難平)と言います。

ナンピンの怖さ

見た目には持ち値が改善していますが、ポジションが倍になっていることを忘れてはいけません。

その後も思惑が裏切られ、さらに相場は下がり107.60円になった場合。

「今度こそ」と意を決して、107.60円でさらに1万ドル買うと、ポジションは3万ドルになり、持ち値の平均価格は108.10円となります。
持ち値は改善していますが、この時点でポジションは最初の3倍です。

そして相場は、さらに107.10円まで下落。

ここで手仕舞うと、(108.10円-107.10円)×30,000ドル=30,000円の損失になります。
もし、ナンピンをせず元々の持ち値108.60円で1万ドルのみ持っていたとしたら、(108.60円-107.10円)×10,000ドル=15,000円の損失で済んでいたはず。ナンピンにより損失が倍になってしまったのです。

しかも、ここまで損失が膨らむと「どこかでは相場は戻るかもしれない」という神頼みの状態になり、深みにはまることになります。

実際、プロでも多くのディーラーが、このナンピンによって市場からの退場を余儀なくされています。安易にやってしまいがちですが、非常に危険なトレードだと言えます。
したがって、「ナンピンは禁じ手」と言われているのです。

買い乗せには前向き

上で挙げた例は「買い下がっていく」というものでしたが、一方「買い乗せ」という手法もあります。

たとえば、108.60円で買い、109.10円で買い、さらに109.60円を買う…というもので、これは相場が予想通りに動いているため積極的に攻めているトレードとなり、ナンピンとは違い前向きなトレードだと言えます。

ただし、買い乗せて行けば、ポジションは増え、持ち値は悪くなっていきますので、しっかりと利食っていくことも大切です。

最後に、ナンピンは安易にできますが、買い乗せは勇気が要ります。
なぜなら、ナンピンは「いつか上に戻る」という期待感があるのに対し、買い乗せは「これが天井かもしれない」という恐怖との戦いになるからです。
しかし、トレードとは勇気を持って飛び込んだところに極楽があるものだと思いますので、タイミングを見ながら試してみるのも一考でしょう。

今回は新規の買いで説明しましたが、逆にナンピンの売り、売り乗せも存在しますのでご了解ください。

記事のまとめ

  • ナンピンは持ち値の改善をしているようでいて、ポジションも増加し、多大なリスクを被る恐れがある
  • プロディーラーを含め、多くのトレーダーがナンピンによって市場からの退場を余儀なくされている(=リスクが大きい手法)
  • ナンピンは安易にしがち。一方、買い(売り)乗せは勇気はいるものの、前向きな手法なので試す価値はある

この記事の執筆者

水上紀行さん

外国為替ストラテジスト

水上紀行

MIZUKAMI NORIYUKI

略歴

1978年三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。 1983年よりロンドン・東京・ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。 現在、外国為替ストラテジストとして雑誌・テレビ・ラジオなどで活躍中。 著書に『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』(すばる舎)『FX常勝の公式20』(スタンダーズ)『知識ゼロでも1時間で稼げるようになるFX入門 2018』(スタンダーズ)などがある。 →エフプロ執筆者・監修者一覧

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