クリスマス休暇直前でイベント盛りだくさん
先週の後半は、下記のようなビッグイベントが目白押しでした。
- 12日 日本時間午前4時 FOMC(米連邦公開市場委員会)金融政策決定
- 12日 日本時間午後8時45分ECB理事会政策決定、その後ラガルドECB総裁記者会見
- 13日 英総選挙開票
- 15日 米、対中制裁関税第4弾合意期限
また、欧米の決算期末も15日前後となることから、これらのイベントがクリスマス休暇前の最終決戦とも言えました。
ただし、どのイベントもそれぞれ意味が大きい上、多岐にわたります。
要は、一つひとつこなしていくしかありませんでした。
ドル/円 1時間足
まず、FOMCは、前週末発表の米雇用統計も良かったことから、据え置き(今までの金利水準を変えずに維持)との予想通りでした。
低金利政策(物価が一定水準を保つために、低い金利水準を維持する政策)は長期化するとの見方も強く、発表後小幅に下落しましたが、その後元々の水準に回復しました。
ユーロ/円 1時間足
ECB理事会は、予想通り政策金利は据え置き。
その後のラガルド総裁の記者会見では、前任のドラギ総裁の有名な発言(ユーロ防衛のためには、いかなる手段も取る)が踏襲されたため、ユーロ相場自体ではそれほど大きな動きにはなりませんでした。
ドル/円 1時間足
ところが、日本時間12日23時台。
トランプ大統領が「中国との大きな取引に非常に近づいている。彼らはそれを望んでおり、私たちもそうだ」と述べたことから、リスクが回避されたとして、ドル/円が、108円台半ばから109円30銭近辺まで急騰しました。
ポンド/円 1時間足
そして、日本時間13日午前7時に、ブレグジット(EUからの英国の離脱)を問う英国の総選挙が終了。
出口調査の結果が発表されると、予想を上回るジョンソン首相率いる保守党の圧勝となり、ポンド/円では、4円以上の急騰を見せ、一時148円に迫りました。
13日の日中は米中協議の合意期待が高まり、ドル/円はリスクが回避されるとして、ドル買い円売りが強まり、一時109円71銭をつけました。
しかし、109円70銭近辺には、日本の機関投資家のドル売り円買いが大量にあったもようで、上げきれずに反落となりました。
「米中交渉、第1段階合意(15日に予定されていた対中制裁関税第4弾の発動は見送り)」が報じられたため反発もありましたが、クリスマス休暇目前ということもあって反発は一時的に終わり、結局109円30銭近辺での越週となりました。
ビッグイベントが続きましたが、一番市場が反応したのが英総選挙で、次が米中協議合意期待ということになりました。
このように相場の反応に差が出た原因は、ポジションの偏り具合の大きさによると言えます。
ご存知の通り、ブレグジット*に対しては、ポンドを悲観的に見ている方が多数派。
その分、ポジションのショート(売り持ち)への偏りが大きく、保守党の圧勝で大きく買い戻されたものと言えます。
*ブレグジットとは
- 英国がEUから離脱する問題のこと。
それに比べると、米中協議合意期待は、あらかじめ織り込まれていた部分がありました。
それほどの意外性がなかったことが、英総選挙ほどの勢いとはならなかったと言えます。