ドル/円 1時間足
10日月曜早朝、新型肺炎の犠牲者が900人を超えたという報道で、リスク回避の円買い(※)が強まり、109.56円近辺をつけましたが、一時的でした。
リスク回避の円買い
- リスクが発生すると安全通貨である円を買うという慣行がマーケットにはあります。
その後、109.75円近辺で揉み合いが続きます。
11日火曜、新型肺炎への警戒から売りが強まる場面もありましたが、マーケットは、むしろドルの売り持ち・円の買い持ちに偏ってしまったようで、109.95近辺まで一時反発。
要は、ドルを売ったにも関わらず、下げきれず反発となりました。
12日零時に、パウエルFRB議長が当面の利下げ見送りを示唆したことから、ドル買いトライが強まり109.96円まで上昇しましたが、110円接近は重く、一時109.73円近辺までの反落となりました。
FRBとは
連邦準備理事会。
Federal Reserve Board、米国の中央銀行制度の最高意思決定機関のこと。
FRBが開く金融政策の最高意思決定機関にFRBの理事7名や地区ごとの連邦準備銀行(Federal Reserve Bank)総裁5名で構成するFOMC(連邦公開市場委員会)があり、米国の金融政策やフェデラル・ファンドレート(FFレート)の金利誘導目標を決定する。
しかし、その日のロンドン市場では、改めて上値トライが再開し、110円を突破し一時110.14円をつけましたが、また109.92円近辺まで反落しました。
13日木曜早朝、再び110.12円近辺まで買い上げられました。
ところが、新型肺炎の感染認定基準の変更で、中国湖北省の感染者数が急増したことが報じられると、リスク回避の円買いが強まり、109.63円まで急落。
その後も、売りはしつこく出ましたが、むしろ底堅さが目立ちました。
14日金曜になると、翌週月曜日はアメリカの祝日で三連休になることもあって、急速に動意(動こうとする気持ち)が薄れます。
結局109.70円~109.90円近辺での揉み合いに終始して越週となりました。
週を通して、新型肺炎の感染拡大に翻弄されました。
しかし、ほぼ109円台後半での取引に終始し、いわゆるレンジ取引の1週間。
レンジ相場での取引の極意は、逆張りです。
ワンポイント
逆張りとは、ある一定のレンジ(値幅)を決めた上で、上昇後のレンジの上限に近づけば売りで、レンジの下限に接近すれば買いでポジションを持ち、相場が反転したら利食うというものです。
レンジ相場の期間が続けば続くほど、有効な手法です。
ただし、レンジ相場にも、終わりは来ます。
レンジ相場が終わると、一方向にどんどん進むトレンド相場になります。
よくあるケースでは、下がったら買い、上がったら売りでコツコツと貯めていた利益を、このレンジ相場からトレンド相場の転換時に吹き飛ばしてしまうこと。
例えば、逆張りの手法を行い、上限近くで売っていた場合。レンジから上に抜けて、一方的な上昇が始まり、売りで捕まったポジションを買い戻しそびれると、多大な損失を被ることになります。
ですので、レンジ相場がかなり狭まってきたらトレンド相場への転換が近いことを一般に示しており、こうなると逆張りはやめて様子を見ることが大切です。
レンジ相場からトレンド相場に限らず、逆にトレンド相場からレンジ相場でも、相場の変わり目は非常に危険ですので、細心の注意が必要です。