長いものも見る
個人投資家の多くの方が、1分足とか、5分足といった非常に短いチャートを主に見ています。
それ自体悪いことではありませんが、もっと長いものも見ましょう。
スキーに例えて言うならば、初心者は、あまりに近いところばかりを見ているため、突然現れたコブに飛ばされたりします。
一方、上達している人は広くゲレンデを見渡し、どこに何があるかを大体把握していますので、多少のコブなど難なく突っ切って行きます。
為替でも同じことが言えて、目先の動きばかりを見ていると、突然の大きな波に巻き込まれて大きくやられることになります。
そこで重要なのが、山の頂上から下界を俯瞰する(見渡す)長いスパンのチャート。「相場の全体像を見る」ことです。
通常、1分足や5分足を見ている方には、1時間足でも長期に思えるかもしれません。
しかし、それでも不十分です。4時間足、日足と見ていき、たまには週足、月足も見ることをおすすめします。
ちなみに、「私はスキャルピング(※)専門のため、数ポイントの動きがわかれば十分です。そんな超長期のチャートを見る必要はない」というご意見もあるかもしれません。
※スキャルピングとは
しかし、例えば「大型台風が発生し、何日か後には接近する」という予報を知っていれば、前もって備えておくことはできます。
それがFXでも大事だと思います。長期のトレンドがどっちを向いているかを知っているかどうかで、実績にかなり影響は出ると思います。
ドル/円 1分足 (上値が重い)
ドル/円 1週間足 (上昇傾向)
ラインは斜線より水平・ヒゲより実体
チャートにレジスタンス(実勢値、現状のレベルより上の抵抗線)やサポート(実勢値より下の支持線)のライン(線)を引く時、斜線で引くことが多いと思います。
確かに斜線も良いのですが、より強いレジスタンスなりサポートになるのは、水平なラインだということが経験的な実感です。
さらに、ラインを結ぶときに、ヒゲ(※)とヒゲを結ぶことが多いですが、実体(※)と実体を結ぶのがより説得力のある抵抗線になると見ています。
※ヒゲ
※実態
過去の形状にとらわれない
チャートを見ていると、「現在の形状は、過去のあの時のカタチにそっくりだ」と思うことが多々あります。
しかし、それに気づいているのは決してあなたばかりではありません。
多くのマーケット参加者が気づき、過去と同じになることを期待して、ポジションを張ります。
そのため、極短期にポジションは一方に偏り、期待に反した方向に相場が転ずるのはよくあることですので注意が必要です。
相場において「まったく同じ状況になる」ことはありません。ですので、過去の形状に過大な期待を持たないことが大切です。
むしろ「相場の型、人の顔に同じものなし」と思うことが大事です。
ドル/円 日足(形状は変わる)
記事のまとめ
- 目先ばかりこだわらず、相場を遠望する意味で長期のチャートを見ることは非常に大事
- ラインの引き方は水平、ラインを結ぶのは「実体と実体」が説得力のある抵抗線の引き方
- 過去の形状と似ていると見て、ポジションを張るのは危険文章