FXを長く・楽しく続ける! 初級~中級トレーダーのためのFXメディア|エフプロ

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【第16回】FX会社の選び方|水上紀行氏に聞く!為替相場を生き抜くための基礎知識

この企画の趣旨

為替相場は戦場のようなもので、損失を出してやめてしまう人も多い非常に厳しい世界。だからこそ初心者には、FXを真面目に学ぶ姿勢が大切です。為替ストラテジストの水上紀行氏に「相場を生き抜くための基礎知識」を解説していただく連載企画です。

お話をうかがった人

水上紀行profile

講師 為替ストラテジスト

水上紀行

MIZUKAMI NORIYUKI

略歴

1978年三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。 1983年よりロンドン・東京・ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。 現在、外国為替ストラテジストとして雑誌・テレビ・ラジオなどで活躍中。 著書に『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』(すばる舎)、『FX常勝の公式20』(スタンダーズ)、『知識ゼロでも1時間で稼げるようになるFX入門 2018』(スタンダーズ)などがある。

http://www.banya-mktforecast.jp/

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どこで口座開設したらいいのか?すべての初心者が感じる疑問について

FX口座のイメージ画像

FXを始めるのなら、必ずどこかの会社で口座開設をする必要があります。

しかし世の中にはFXのサービスを提供している会社が膨大にあるので、「どこを選べばいいのだろう?」というのは、すべてのトレーダーが直面する最初の悩みかもしれません。

そこで今回は「FX会社の選び方」という、直球ストレートな疑問について教えていただきました。

安心感を求めるならカバー率をチェック

編集部:FXを始めるうえで、どんな会社で口座開設したらいいのでしょうか?非常に基本的なところですが、水上さんの考え方を教えてください。

人のシルエット

水上:やはり使う機器の使いやすさや見やすさなどが選ぶポイントになるかと思いますが、注意しておきたいのは安全面ですね。何かが起きたときにシステムが止まってしまうとか、もしかしたらその会社自体がなくなってしまうこともありうるわけですから。

編集部:安全面とは、具体的にどんなところでしょうか?

人のシルエット

水上:例えばFX会社は、会社によって「カバー率」が違います。

FX会社が行う「カバー」とは?

    例えば顧客からドル円の買い注文が入ったら、その注文と同じ、もしくは近い注文を銀行・証券会社等に発注することを「カバー取引」という。カバー取引をすることでFX会社は顧客注文のリスクをヘッジできる

FX会社には二種類あって、フルカバーをしている会社と、一定数はカバーをしていない会社もあるのですね。

編集部:FX会社がカバー取引をしていない状態というのはつまり、顧客が負けてロスカットしたら、その分が「FX会社の利益」になるということですね。

その方がFX会社にとって効率的に利益を出せるとはいえ…あくまでそれは「顧客が負けた場合」ですからね。リスクヘッジをしていない状態というのは心配ですね。

人のシルエット

水上:まぁだいたいの日本のFX会社はフルカバーでやっているので心配は少ないと思いますが、中にはカバー率が低い(未カバー率が高い)ところもあるので注意が必要ですね。

編集部:もしものときの安心感を重視するなら、未カバー率が低い会社を選んだ方がいいかもしれませんね。

人のシルエット

参考:カバー率(未カバー率)のチェック方法

    カバー率(未カバー率)は各社が公式サイト等で情報開示しているので、調べたいFX会社名と「カバー率」などのキーワードで検索すれば調べることが可能
カバー率の情報開示

※外為どっとコムの公式サイトより引用

編集部:ちなみに、日本の金融庁の登録を受けていない海外のFX会社についてはどうでしょうか?エフプロとしてはまったくおすすめしていないのですが…

人のシルエット

水上:一時期、海外FX業者についてどんなものなのか調べたことがあるんですよ。オーストラリアとかギリシャとかいろいろな業者を調査してみたのですが、まず顧客サービスがいろいろと「なってない」んですよね。スプレッドも広いですし。

それに海外は日本の規制の範囲外ですから、お金を入れたらもう全部自己責任です。その自己責任を負えるのかという話ですね。

いくらレバレッジが高いからといって、相手がお金を持って逃げられたらどうしようもないですし、その不安はものすごくある。やはり私は日本の会社がいいかと思いますね。

サイトが存在しないイメージ画像

FX会社のスペック(サービス内容)の違いは気にするべき?

編集部:FX会社選びのポイントというと、スプレッドやスワップポイントが思い浮かびます。これらは気にした方がいいのでしょうか?

人のシルエット

水上:これは気にしすぎても良くないと思いますね。例えば日本時間の朝7時台とか、当然スプレッドは広がるじゃないですか。

このとき、例えばトランプ発言などのニュースは朝7時台に入ってきたりすることがありますが、そういうニュースがあったときには多少スプレッドが広かったとしてもそこで入ってしまった方がいいことの方が多いんですよ。

アメリカの経済ニュースのイメージ

編集部:通常時のドル円のスプレッドはほとんど0.2銭で横並びですし、一般レベルの個人トレーダーなら、そこまでこだわらなくてもいいかもしれませんね。

人のシルエット

水上:スワップポイントに関しても、そもそも私が一番おすすめしているのはデイトレードであり、スワップポイントのかからない形なんです。

なぜデイトレードをおすすめしているのかというと、トランプ砲のような突発的なニュースが連日出ているような状況なので、オーバーナイトしてポジションを持っているとリスクを負いすぎているからです。つまりスワップポイント以前の問題として、オーバーナイトしてポジションを持つのは避けた方がいいんじゃないかと。

もちろん、スワップポイントは会社によってはかなり低いところもあるので、もしやるとしたらそういうところは避けた方がいいかなとは思いますが、デイトレードでやっていれば気にならない部分なんですよね。

編集部:確かに。仮にほとんどスワップがつかないような会社だったとしても、デイトレードしかやらないと割り切っていればまったく関係ありません。「絶対にスイングトレードをしたい」という人でなければ、こだわらなくていいかもしれませんね。

ちなみに水上さんはヒロセ通商をお使いですよね?使っている理由は何なのでしょうか?

人のシルエット

水上:仕事上の理由もありますが、ヒロセ通商が提供している「注文情報」がよくできているのも大きいですね。

ヒロセ通商の注文情報

↑ヒロセ通商で口座を持っている人たちがどこに注文を入れているのか可視化したツール。口座開設することで利用できる

編集部:FX会社はそれぞれに独自のチャートツールを提供していますが、一方でMT4やトレーディングビューを使える会社もあります。水上さんはやはり、こういったツールを使っているのでしょうか?

人のシルエット

水上:過去には、FX会社が提供しているチャートを見ていたこともありましたよ。ただ、その会社は日本から撤退してしまったんですけど…。

FX会社が独自に提供しているチャートは、あまり良くない場合もありますね。画面いっぱいに表示したいけど一部しか表示されない、とか。ですので、プロとしてはやはりトレーディングビューなどにちゃんとコストを払わないと、というのはあります。

トレーディングビューが便利なのは、例えば「2000年の〇月〇日のチャートを見たい」といった場合にもポンとその日に飛べたりするところですね。ですから、口座選びをする際にはこういったサービスが付帯しているのはそれなりにメリットがあるのではと思います。

編集部:その他、FX会社選びをする際に大切なことがあれば教えてください。

人のシルエット

水上:最初はデモトレードでいいので、実際にトレードをする前に操作方法について熟知してほしいというのはあります。実践に入ってしまうといちいち確認していられないし、間違った操作をしても、実際にポジションができてしまうことになるので。

ただデモトレードはリアルトレードと違ってプレッシャーがまるで違いますから、デモトレードは延々とやるものでもありません。

編集部:どこの会社を選ぶにしても、操作方法の熟知は必須ですよね。

人のシルエット

水上:あと、私の場合はポジションを持つときはPCでやって、利確はスマホでやるというのが多いパターンなんです。私のモットーとして「いいレートだ」と思ったときにはすぐに利食うということをしているので、そういう状態はところ構わず来ますから、スマホで決済した方がラクというのがあります。

スマホとPCをうまく使い分けることが大事じゃないかなと思います。

編集部:いろいろとお話を伺ってきましたが、究極的には「使ってみないとわからない」という部分も大きいですよね。

そもそもFXの勝率は自分次第です。どこの会社を使っていたとしても、ダメなトレードをしていたら勝てませんし…。

人のシルエット

水上:それはおっしゃる通りですね。私が口酸っぱくして言ってるのは「順張りでやりましょう」ということです。

順張りのイメージ

下手に相場観を持つよりも、上がるなら買う、下がるなら売ると。相場が動いてから乗っかるので、言ってみれば「後出しジャンケン」ですよね。

後出しジャンケンをやった方が勝つ確率が高いわけですし、確率が高いやり方でやった方がいいんじゃないかということですね。

私はこれを、順張りの頭文字のj、後出しのa、ジャンケンのjaを組み合わせて、「jaja」とネーミングし普及に努めています。

後出しジャンケンのイメージ

編集部:FX会社選びもそれなりに大事ですが、FXで安定的に利益を出していくためには、とにかく「トレードスキルを磨くこと」に尽きますね。

これからも精進します。今回もありがとうございました!

人のシルエット

今回のまとめ

  • FX口座の安心感を重視するならカバー率をチェック
  • デイトレードならスワップポイントを重視する必要なし
  • 口座選びも重要だが、それよりもトレードスキルを磨くことが大切
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この記事の執筆者

エフプロ編集長 齋藤直人

エフプロ編集長

齋藤直人

SAITO NAOTO

略歴

紙媒体で約20年の編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。現在は株式会社キュービックのエディターとして、エフプロを中心に記事クオリティ向上に尽力中。

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