12月概況
年末は、欧米勢にとって年度末にあたり、決算がらみの為替が発生します。
世界各地の米国企業の現地法人から、利益が米国に送金(ドル買い)されます。
そして、ご存知のように米国にはGAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)に代表されるような巨大企業がそろっており、その利益送金が巨額になることについて疑う余地はありません。
米国感謝祭(11/28)を機に、送金はすでに始まっているでしょう。
12月半ばのクリスマス休暇が始まるまでドル買い圧力は強まるものと思われます。
去年の11月半ばから12月半ばのドル/円を見ても、横ばいだった裏には、こうしたドル買いが続いたものと思われます。
また、12月のFOMC(※)は10~11日で、これが終わると投機筋は、クリスマス前のトレードを終了させるところが多いと思われます。
※FOMC:米連邦公開市場委員会。アメリカの金融政策の方針を決める意思決定機関のこと。声明の発表時間は日本時間の12日午前4時です。
年末年始のパターン
12月後半のクリスマス休暇では動きませんが、クリスマスを終え、英国の祝日である26日のボクシングデーを終えて27日が平日の場合は、そこから新年度となります。年初の投機相場に繋がっていきます。
昨年の場合も、12月27日からドル/円の売りでトレードが開始し、年明け3日にあのフラッシュクラッシュ(突発的な乱高下)の急落がありました。
以上のことから大雑把に12月のパターンを見ると
- 12月1日から15日前後が決算絡みのドル買い
- 15日前後から26日までは、クリスマス休暇で動かず
- 27日から新年度の仕掛け相場が始まる
- 正月気分に浸る円が狙われやすくなる
ということになると思います。
力を入れる時期、入れない時期のメリハリがはっきりしていますので、力を入れない時期に無理矢理トレードを行わないようにご注意ください。
ドル/円 日足(昨年の12月前後)
ドル円
ドル/円 週足
ワンポイント
12月半ばに向けて、112.00円を目指すものと見ています。
クリスマス後の新年度の投機方向は、今のところはっきりしません。
今年のフラッシュクラッシュと違って、来年初はマーケットも身構えており、意外と動かない可能性もあります。
今年の3月高値112.13円や4月高値112.39円辺りがチャート的に意識されており(※)、短期トレンドでの目標となっています。
※直前の高値が売りの目安の一つとなるため、目標にされやすい。