ドル/円 1時間足
23日月曜、FRBが米国債を無制限に購入(※)すると発表したことから、一時109.82円近辺まで売られました。
米国債を無制限に購入
市場の資金不足に対して、米国債を無制限で購入することによって無制限の資金供給することを公表し、マーケットの不安感を払しょくしようとするもの。
24日火曜未明、新型コロナウイルスの感染拡大に対する2兆ドル規模の米国の経済対策が上院を通過できず、一時は111.59円まで大幅反発となります。
しかし、アジアタイム、いったん110円台前半まで下げました。
ワンポイント
今回の米経済対策は、2008年のリーマンショックの際の緊急対策のおよそ3倍にあたる規模で、個人に対する現金給付や失業者への手当ての拡充、航空業界への資金支援などが盛り込まれています。
25日水曜未明、米経済対策の合意期待から米株が買われ、それに連れてドル/円も一時111.71円まで上昇。
ダウは、2100ドルの上昇となりました。
26日木曜未明、米経済対策が合意しましたがドル/円は111円台前半でもみ合いでした。
前週20日金曜から何度となく111円台半ばから後半を試してきましたが、5営業日が経っても上抜くことはできず、シドニータイムから111円台を割り込み、下落を開始しました。
かなり、マーケットがロング(買い持ち)になっていたもようで、戻り(反発)が限られ一本調子で(一方的に)下げていきました。
ニューヨークタイムに入って発表された週次の米新規失業申請件数(※)が、前週比300万件超の大幅増加と、予想の10倍を超す最悪の結果になったことから、ドル/円はさらに下げ、一時109.21円をつけました。
米新規失業申請件数
- 失業者が失業保険を申請した件数
27日金曜、米国の新型コロナウイルスの感染者数が中国を上回って世界最多となったことを受け、一時107.75円まで下落。
下げてからの反発も限られ、107.95円での越週となりました。
前週後半から、不足するドルを調達するための「最終手段としてのドル買い」が強まりました。
それに乗じて、111円台を付けた後に突破のドル買いがしつこく出ましたが、結局、上値を突破はできませんでした。
そこへ、週次の米新規失業保険申請者件数が前週比300万件超の大幅増加。
要するに米国では、新型コロナウィルスの影響もあり大規模な解雇が進んでいるということです。
さらに、米国の新型コロナウイルスの感染者数は中国を上回って世界最多に。
これだけドルにとって悪いことが続けば、ドル安になるのは頷けると思います。
こうした背景から、26日から27日にかけてジリ安が続きました。
つまり、ほとんど戻り(反発)がなく、ジリジリと下げていく相場。これが意味することは、マーケットが買い下がってロング(買い持ち)になっているということです。
「この辺なら買ってもいいかな?」という、値ごろ感からの買いが続いているものと思われます。
買い下がっても、その後反発すれば利食うチャンスもありますが、買い下がってロング(買い持ち)になっているため、上値は重く戻らず、結局ロングを作ったマーケット参加者が、あきらめて売るため、また一段下がるということを繰り返すためジリ安となります。
しかし、下がったところは、また新たなマーケット参加者が値ごろ感から買い下がるため、マーケットにあるロングは減るどころか増えていき、さらに戻らなくなります。
こうした相場が終わるためには、ドンと急落してロングが大きく投げるか、でなければ、時間をかけてロングを解消するしかありません。
個人的には、多少痛みが伴っても一気に投げてしまった方が、次のことに行動が移せるので好みです。
始めたポジションが捕まったら、未練残さずスパッと切るのが、メリハリがあって良いと思います。