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投資家・松下誠氏が語る!FX分析はテクニカル分析で十分な理由とは

松下誠さん①

松下誠(まつした・まこと)さん

まこと投資スクール株式会社代表。1967年福岡県生まれ。医薬系大学卒業後、製薬会社でのMR(医薬情報担当者)時代に、株式投資と商品先物投資をスタート。2005年に、ドリームワークス株式会社(現まこと投資スクール株式会社)を設立。

自身の経験と独自の理論に基づいた、投資手法や考え方を多くの個人投資家たちに啓蒙しており、その数は3万人以上。代表的な著書に「投資の哲学(総合科学出版社)」「FXサイクル投資法マスターブック(ダイヤモンド社)」などがある。

公式ブログ:松下誠の投資家を元気にするブログ

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FXにファンダメンタルズ分析は不要?

松下誠さん①

-相場分析をおこなうとき、多くのFX初心者が「複雑すぎる」という理由から、テクニカル分析の使い方につまづいてしまうと聞きます。そもそも、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析、どちらの手法を使えば良いのでしょうか?

松下さん:今回は、あくまで私個人の意見としてお話しさせていただきます。「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」どちらの手法を使えばいいのか、というその考え方自体が間違っています

-間違い?

松下さん:FXにおいて、個人投資家が売買の分析手法として使うのに、ファンダメンタルズ分析はありえない。FXで利益を上げようとするなら、テクニカル分析を使うしかないんです。

-すみません、少し話を整理したいので、ファンダメンタルズ分析がどういうものなのかを、改めて教えていただけますでしょうか。

松下さん:はい。ファンダメンタルズ分析というのは、通貨の適正価値や価格を分析するための手法です。ドル円が100円なのか、あるいは110円なのか、通貨の正しい価格を分析するものとして使います。

-売買の分析手法として、そのファンダメンタルズ分析を使うことをオススメできないのは、どうしてなのでしょうか?

松下さん:雇用統計、GDP、政策金利、貿易収支などさまざまな要因が、通貨の価値を左右すると言われています。これらを知ったからといって、通貨の適正価値が果たしていくらなのかということは、個人投資家ではわからないんです。だから、ファンダメンタルズ分析を使ったところで、相場分析をするうえではあまり役に立たない。

もちろん、ファンダメンタルズ分析を使うことを、全否定しているわけではありません。私が言いたいのは、利益をあげるには、相場を分析できるだけの高い技術が必要不可欠だということ。なので私は、自分の生徒には「テクニカル分析だけを徹底的にやりなさい」と伝えています。

テクニカル分析を正しく使うためには何が必要?

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-確かに、道具がひとつしかないのに、「自分にはうまく使いこなせないから難しい」と言っていたら、何も成果は上げられませんね。ちなみに、テクニカル分析を正しく使うためには、ニュースや経済の情報もある程度は頭に入れておいた方が良いのでしょうか?

松下さん:いえ、見る必要ありません。余計な情報をインプットすると、かえって混乱してしまうので、ニュースや経済指標を知らなくても全然問題ないです。

-では、どうすればFX初心者はテクニカル分析を正しく使うことができるのでしょうか?

松下さん:一番は、テクニカル分析をきちんと理解すること。移動平均線、RSIなど色んなチャート指標がありますが、学ぶツールが多すぎるあまり、どうしても表面的な理解で終わってしまいます。

だから、移動平均線ひとつとってもきちんとその使い方を、自分のなかに落とし込むことができない。その結果として、判断を見誤って損切りが遅れたりだましに引っ掛かりやすくなったりしてしまうです。

では、具体的にどう学べば良いのか。それは、自分で過去検証をおこなうこと。過去10年間分のチャートを遡って、移動平均線がこうなっているからこうだ、平均値がこうなってるからこういう値動きになるかもしれないと、仮説を立てて自分で検証するんです。

-自分で過去検証をおこなうことで、値動きの流れとそれに伴う売買のタイミングもきちんと理解、把握できるようになると。

松下さん:そういうことです。テクニカル分析は、現状の値動きの延長線上に、未来の動きがあるという考え方のもとで相場分析をおこないます。つまり、統計学がもとになっているので、自分である程度統計を取らなければならないんです。

私が知っている、たくさんの利益を上げている投資家の多くが、きちんと自分で統計をとっています。自動で統計をとる人もいれば、私のようにアナログで1個1個エクセルに価格を打ち込む人もいて、過去検証のやり方は人によってさまざまですが。

-テクニカル分析を正しく使うためには、自分でチャートを分析して過去検証をおこなうなど、努力を積み上げることが大切なんですね。ちなみに、統計学であるテクニカル分析でも、買いサインと思ったら実は売りサインだった、ということもありますか?

松下さん:もちろんあります。100%の理論なんて存在しません。すごくざっくり言うと、投資では51%当たれば、それは優位性がある理論だと言われています。残りの49%の数字を見て、多くの人が「だまし」と言うんですが、確率論なのでハズレはあって当たり前。FXで値動きに対峙していくと、100戦100勝はありえません。損切りはつきものですから。

-でも、損失するリスクだけはどうしても避けたいです。

松下さん:そもそも「だまし」というのは、セオリーから外れた値動きであるということです。つまり、セオリーが100%ではない限り、だましは必ず起こり得るということ。勝率80%で利益を出している人たちも、残りの20%は損切りをしているんです。

だから、万が一外れて「だまし」が起こってしまったとしても、気にしないこと。これが一番大切で、勝率を上げるうえで重要なことだと思います。だから私は、自分の生徒には「1年間に損切りを50回しなさい、60回しなさい」って伝えてます。なぜなら、それが巡り巡ってその人の利益につながるからです。

1日たった100文字の「投資日記」がFX上達の近道?

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-では、勝率を上げるためにはどうすれば良いのでしょうか?

松下さん:テクニカル分析を磨くことだと思います。その磨くための方法として、セミナーに参加した生徒に私が必ず教えている勉強方法のひとつが、投資日記です。多くのトレーダーや個人投資家も実践しているので、「投資を始めたはいいけど、何からやればいいのかが分からない」「投資の知識はそこそこあるけど、利益が上がらない」という初心者にぜひやってみてほしいです。

-投資日記とはどんな内容ですか??

松下さん:手帳のメモ欄でもなんでも良いので、売買をしたら、いつもその理由を書いておくんです。たとえばこんな風に。

  • 日時
  • 注目、観察した通貨
  • 価格
  • 売買や上下動の判断
  • 上記の判断をおこなった理由
  • この時の感情や気持ち
  • その他(日常生活や市場の出来事など)
-え? たったそれだけで良いんですか?

松下誠さん③

松下さん:はい、箇条書きでも走り書きでも構いません。必ず毎日つけてください。というのも、投資日記は、自分の投資に対する考えや判断を確認し、且つ次の売買に活かすことが目的だからです。「なぜ売買をおこなったのか」という理由は、後からだとなかなか思い出すことができませんから。

それに、投資日記を続けて半年くらい経った頃には、自分自身の明確な変化や成長に気づけます。この投資日記は、初心者の投資家にとって必須のツールなんです。

-確かに……! 自分が取引をおこなった理由や考えを、記録として残しておくことができますね。

松下さん:そうなんです。いくら、テクニカル分析の知識や理論を頭に詰め込んだとしても、それを実践して成果を求めていくうえでは限界があります。特に、FXはすごい速さでお金が動いていくので、感情に左右されて正しい判断ができなくなってしまうんです。だからこそ、蓄えた知識や理論を行動に移すためのトレーニングが必要になります。

-考えや行動を書き残しておけば、自分の判断が利益につながっているかどうか、次はどんな施策を打てば良いのか、PDCAの回転率も上がりそうです。

松下さん:はい。私も、投資をはじめてからは毎日、投資日記をつけましたが、定期的に振り返って自分の判断がいかに誤っているのかを把握できるようになりましたから。投資日記をつけることこそが、FXで勝率を上げて上達する方法だと思います

まとめ

松下誠さん④

これまで3万人以上のトレーダーを育てあげてきた松下さんは「テクニカル分析以外は必要ない」「テクニカル分析の腕を磨く方法は毎日投資日記をつけること」と語ります。

地道ながらも、上達するには必須の勉強方法が重要であることを改めて感じました。まずは1日100文字投資日記を書いてみることから、始めてみてはいかがでしょうか。

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