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元為替ディーラー山中康司氏を直撃!FX初心者に教えるトレードテクニックとは

山中康司さん

山中康司(やまなか・やすじ)さん

有限会社アセンダント取締役。テクニカル分析の第一人者とも言われている。国内外の金融機関で長く為替トレーディングに従事。2002年、金融関連のコンサルティング会社アセンダントを設立。

代表的な著書に『ど素人が分かるFXチャート&経済指標の本(翔泳社)』などがある。Twitter(@yasujiy)では、FXや金融占星術を中心につぶやいている。

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ニュースや経済指標がわからなくてもトレードはできる?

チャート画面PC

-私はFXど素人なうえに、普段ニュースや新聞もあまり読まないのですが、経済指標がわからない人でもトレードをすることは可能なのでしょうか?

山中さん:可能です。ただ、知識も経験もないゼロの状態からはじめるのはリスクがあるので、自動で取引ができるツールを使った方が間違いがないかもしれません。紹介できるものとしては、各社からリリースされている自動で注文を繰り返してくれるタイプのツールです。

-それはどんなツールなのでしょうか?

山中さん:通常「リピート系」と呼ばれる注文システムですが、一定の条件を設定してしまえばあとは自動で取引をしてくれるツールです。PC、スマホ、タブレット、どのデバイスからもスムーズに操作ができます。こうしたツールを使えば、初心者の方でもスムーズにFXの世界に入ることができるのではないでしょうか。

-忙しくて経済のニュースや相場をチェックする時間がない人にとっても、便利なツールですね。

山中さん:それともうひとつ。こうしたツールは、時間がない人、知識や経験がない人向けのもの。自動の損切りがセットになっているので、失敗した場合でも損失が限定されるんです

ただ、なかには、使い方を間違えると損失が膨らんでしまうタイプのツールもあります。初心者向けとはいえ、使い方くらいは見ておかないと危険です。同じリピート系でも順張りタイプのツールであれば、そうしたリスクも限定されますから。

-使うツールによりけりなんですね。でも、きちんと勉強をせずにツールに頼りすぎてしまうと、「ちゃんと相場を読めている」とか気を良くしてしまいそうです。

山中さん:それが、一番の落とし穴なんです。チャートの見方や指標の使い方など、相場分析をきちんと理解しないまま、根拠のない取引を繰り返していくと、相場が急に変動するという事態に直面します。世界情勢や為替政策の変更などが起きれば、当然ながら相場は変わるもの。

それに伴い、トレーダーなどの「期待値」によっても相場は変動します。これまで自分が全く気にしていなかった、政治経済、世界情勢のチェックしたい情報を見落としてしまい、買うタイミングと売るタイミングを見誤ってしまう。結果として、損失が生じてしまうんです。

-初心者でも、ある程度は相場分析に必要な知識も学んでおいた方が、当てずっぽうな取引によって失敗するリスクはおさえられるんですね。

山中さん:そうですね。先ほど、ニュースを見ない人でもトレードはできると言いました。確かに初心者でもすぐに始められます。ただ、FXで重要なのは、「勝つ」ことではなく「勝ち続ける」ということです。そのためには、さまざまなチャート指標の見方を知っておく必要があります。

そもそもテクニカル分析とは?

テクニカル分析イメージ図

-いざ口座を開設して取引をおこなおうと思ったとき、何を見て相場の上がり下がり、売り買いのタイミングを判断すればいいのでしょうか?初心者でも使いやすい分析手法があれば教えていただけますか?できれば、見誤りによる損失は避けたいです。

山中さん:やはり、テクニカル分析ではないでしょうか。このテクニカル分析というのは、過去の為替レートの動きから、今後の値動きを判断するテクニックのことです。

グラフ化した過去の値動きをもとに、今後の為替動向のトレンドやパターンなどを把握し、過去にも似たようなパターンがあれば、将来も同じようなパターンになる可能性が高いと予測します。トレードで上手くいくために欠かせないテクニックのひとつで、僕はテクニカル分析以外はほとんど見ません

-経済に関する知識がない人でも、テクニカル分析は使いこなせるのでしょうか?

山中さん:相場の動きを視覚的に把握したり理解ができるので、経済指標に関する知識がない人でも十分使いこなせるはずです。それと、多くの人に使われる一貫したテクニックなので、情報が歪曲されることがなく、信頼性、正確性ともに高いと言えます。ただし、「だまし」には注意が必要です。

チャートの示す通りに相場が動かない「だまし」

スマホ直視画面

山中さん:絶好の買いサインが出ていると思って買ったら、途端に相場が下降トレンドへ転換して損をしてしまうことがあります。これを「だまし」と言うのですが、過去の値動きをベースに買いサイン、売りサインを予測しているテクニカル分析では、だましも起こります。

銀行やヘッジファンド、投資家といった資金力のある人たちが取引することにより、大幅な相場変動が起こることもそうした要因のひとつだと考えられます。

-では、「だまし」に騙されることなく買いサインを見抜くにはどうすればいいのでしょうか?

山中さん:「だまし」を回避する一番の方法は、より多くのチャートパターンを見ること。ただし、チャートをただじっと眺めているだけでは意味がありません。“チャートを見たこと”に満足してわかったつもりになってしまうので、分析を見誤って損切りやだましが起こりやすくなる。なので、最低でも500枚、過去2年間分くらいを目安にチャートを見ると、ある程度テクニカル分析のスキルを身に付けることができます。

-山中さんが売買のときに使っている、初心者でもチェックしやすいチャートがあれば教えていただきたいです。

1.移動平均線とトレンドライン

移動平均線とトレンドライン

山中さん:移動平均線というのは、FXにおいて特にポピュラーなテクニカル分析の手法のひとつです。株式相場はもちろん、外国為替相場、金相場などさまざまな金融商品の動きを、ひとつの流れとして捉えることができます。

さらにトレンドラインと呼ばれる線をを引くと、相場が上昇しているのか下降しているのか、トレンド(傾向)が掴めるようになりますよ。これを見てください。

(ドル円2018年2月売り)

逆指値売

山中さん:これは、僕が過去に売買したときのローソク足チャートで、白い四角を「陽線」、黒い四角を「陰線」と呼び、上に伸びている線のことを「上ヒゲ(高値)」、下に伸びている線のことを「下ヒゲ(安値)」と言います。

ピンクの線をトレンドラインと呼び、直近の高値と高値を結び、さらにそれとは平行に安値の線を引いています。(ドル円2018年2月売り)のチャートを見ると、トレンドラインが下降していて、移動平均線も下降しているので、この場合は売りのシグナルが有利だと判断できる。

(ユーロドル2017年7月)

逆指値買

山中さん:一方で、(ユーロドル2017年7月)は上昇トレンドだと判断できます。つまり、これは買いシグナルが有利だということです。結んだ線が上昇か下降かを見るだけで買いサインと売りサインのどちらが有利かわかるので、初心者でもわかりやすいのではないでしょうか。

-シンプルでわかりやすいですね。ほかにもありますか?

2.平均足

平均足

山中さん:平均足は、「陽線(白)が買い」「陰線(黒)が売り」という具合に非常にシンプルなので、FX初心者の方にはぜひ使っていただきたいチャート分析のひとつです。上で紹介した移動平均線のように「トレンドの傾向」に左右されることがほとんどありません。そのため、「だまし」によって損失するリスクを最小限に抑えながらトレードすることができます。

-通貨を売買するとき、陽線と陰線だけではなく上下に伸びているヒゲの長さも注意深く見た方が良いのでしょうか?

山中さん:鋭い質問ですね。ここでは平均足の見方を例にしましょう。2017年11月末以降の平均足を見てください。陽線の上ヒゲが伸びていて、且つ同じ状態が何本も並んでいますよね。

この場合は、トレンドが上昇しているということになるので、このタイミングで買えば高値で売るトレードをすることができます。もし、2018年2月5日のように、買いサインである陽線で下ヒゲも長く伸びているのであれば、下落する前兆と捉えられるため、売買は避けた方がいいでしょう。※一般的なローソク足の見方とは異なります。

3.RSI

RSI

山中さん:最後に紹介するRSIは、「売られすぎ」と「買われすぎ」を判断する指標です。 下の段のグラフの右側を見ると、25、50、75と数字が並んでいますが、赤いラインは30、70に引かれています。

一般的には、グラフの山が70より上なら買われすぎ、30より下なら売られすぎと判断しますが、RSIで見る売買のポイントはただひとつ。

2018年1月30日を見てください。30より下の売られすぎゾーンから、グラフが上昇していますよね。このポイントこそが買いのタイミング。逆に、前日70よりも上にあったRSIが下回ったときが売りとなるわけです。表示されているグラフではありませんが、仮に2017年12月4日が70よりも上から下がっていたとしたら売りのシグナルとなります。

-ということは、2018年1月31日や2018年2月20日が買いに行く一番のタイミングになるということでしょうか?

山中さん:そうですね。ただ、テクニカル分析の手法として初心者が使うのであれば、値動きや為替相場の流れを把握できる移動平均線などトレンド系の方が使いやすいと思います。

慣れてきたら、移動平均線とRSIを組み合わせてトレンドの動向を探るのもいいかもしれません。でもやっぱりまずは、より多くのチャートパターンを見て傾向を掴むことが勝ち続けるための一番の秘訣だと思います

まとめ

山中康司さん②

これまで数々のトレーダーを育てあげてきた山中さんのもとには、テクニカル分析について学びにやってくる人が後を絶ちません。

山中さんは最後、「FXは、知識がない人や時間がない人でも誰でもはじめられます。ただし、なけなしのお金では絶対にやらないこと。最悪ゼロになってもいいと思える資金で始めることが大切」と話します。

目先の利益に捉われるのではなく、長期的に続けられるようにしっかり資金管理をおこない、分析スキルを高めていくことが、勝ち続けるための秘訣なのだと改めて感じました。

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