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トルコリラ,メキシコペソ,南アランド,人民元の見通しと攻め方|トレイダーズ証券の井口さんが解説!

ハイスペックなFX口座としてユーザーを着実に増やしているトレイダーズ証券の「みんなのFX」と「LIGHT FX」。

この記事では、トレイダーズ証券のディーラーである井口さんに4大高金利通貨ペアの長期運用の要点、そしてこれからFXを始める方、まだ結果が出ていない方のおすすめ勉強法を教えてもらいました。

執筆者

鹿内武蔵

FXライター

鹿内武蔵

SHIKAUCHI MUSASHI
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貿易戦争後には元高の見通しも

鹿内:いきなりですが、トレイダーズ証券は高金利通貨のスワップポイントには、かなり力を入れていますよね。

井口:はい。今なら、メキシコペソ円、南アランド円、トルコリラ円、そして人民元円ですね。いけるところまで、お客さまにとって有利なスワップポイントを提示する方針です。

鹿内:人民元円は、まだ取り扱っている国内FX会社は多くないですよね。

井口:そうですね。国内大手でも半分くらいしかトレードできないと思います。

鹿内:なぜ人民元円の取り扱いを開始したのですか?

井口:トランプ政権になってから、ずっと米中貿易戦争が続いていて、収まる気配もありません。もしトランプさんが大統領選挙に再選すれば、この状態が2024年まであと5年続くわけですから、元という通貨がクローズアップされる状態が続くのではないか。その結果として、お客さまにとって優位性が出てくることもあると判断して、この通貨ペアの導入を決めました。

鹿内:ずばり人民元はどういう通貨なのですか?

井口:人民元には2種類あります。中国国内で取引ができるオンショア、国外で取引できるオフショアですが、前者は限られた中国人しか取引ができないため、我々がトレードをするのはオフショアの人民元ということになります。 先日、トランプ米大統領が中国を為替操作国と認定する発言をしましたが、毎朝の10時15分に人民元の基準値が決められます。銀行が、今日の人民元はこの価格で取引しますというレートですね。

鹿内:仲値のような。

井口:そうですね。つまり中国当局の影響を強く受ける通貨といえます。当局が元高にしたいのか、元安にしたいのかという意向が価格に表れやすいです。

鹿内:政府のコントロール下にあるわけですね。

井口:現時点で私は、人民元はリスクアセットとして最注目ではないかと考えています。

鹿内:リスクアセットとは?

井口:リスク資産ですね。現在の為替相場は米中貿易戦争がテーマですから、人民元はその矢面に立っている通貨といえます。激化すれば元安に、沈静化すれば元高になると考えられます。

注目度が高いだけに、いろいろな使い方ができる通貨です。例えばトランプ大統領が新たな関税をかけると言い出せば、リスクオフの展開になります。リスクオフとは、積極的な投資を避ける流れのことで、株は売られるため株価は下がり、円のような安全通貨が買われます。こういった展開になると元も売られますから、株をたくさん持っているなら人民元円をショートすることで一時的なリスクヘッジができるでしょう。

そして、米中貿易戦争はいずれ終わるはずです。そうなれば、激しい元高になることが予想されます。現在中国政府はかなり強引に元安に誘導していますが、これは貿易のためで、関税をかけられた増税分を相殺するため、どんどん元安政策を進めています。この状態が終われば、歪んだ人工的な元安が元に戻ると予想できます。

つまり今は貿易戦争中なので短期目線の元売り。長期的には元高に乗るための元買いという考え方も成り立ちます。いろいろな戦略が考えられる通貨なんですね。ただ、日本の投資家にはまだ浸透していませんので、時間はかかるかもしれませんが、いずれは元という通貨がスタンダードな投資先になる日が来るかもしれませんね。

鹿内:人民元円は、現状(2019年9月上旬)ではどれくらいスワップポイントがもらえますか?

井口:10万通貨の買いで1日に100円くらいです。価格が15円くらいですので、150円の通貨ペアを1万通貨保持するのと同じくらいの証拠金です。メキシコペソ円も10万通貨を買いで110円、120円というスワップポイントですので、それに近いパフォーマンスですね。

今はトルコリラ円をチャートだけで判断しない方がいい

鹿内:トルコリラ円、南アランド円、メキシコペソ円それぞれの見通しや攻め方について教えていただけますでしょうか。

井口:まず攻め方ですが、FXは自由な商品ですので、買っても売ってもいいわけです。ただ、これら高金利通貨ペアを売れるのかといえば、なかなか難しいものがあります。特に、長期的にスワップポイントを支払いながら売りポジションを持つのは、かなりのストレスですのでおすすめはできません。

トルコリラ円のチャートを見れば、ここ数年はずっと下がり続けているので、売っていれば良かったともいえますが、実際にそれを続けるのは大変です。ですので、まずはロングを考えた方がいいでしょう。

それぞれの見通しでいえば、トルコリラ円に関しては、2019年中に利下げ(政策金利の引き下げ)の可能性がかなり残っています。あとはロシアとの軍事技術との関連で、欧州との関係性も良くありません。これらが下落要因となり、今すぐ買えるかというと厳しいものがあります。

ただ、最近の経済指標を見ていると、数値はかなり良くなってきていて、これは良いニュースですね。今が良い状態ではもちろんありませんが、底を打ってくれた印象もあります。

あと新興国全体にいえるのですが、米国が利下げサイクルに入ったため、米国だけでなく、トルコ、メキシコ、南アフリカの期待値も高まっています。世界的にそういう流れになると、新興国の通貨が買われやすくなるからです。

鹿内:初歩的な質問をしてもよろしいですか。トルコリラは2019年の6月まで、政策金利が24%でしたが、7月に19.75%に引き下げられています。この政策金利を見て、魅力がダウンしたと考えるのは間違いでしょうか。

井口:まず、いくら高金利通貨といっても24%はある種の異常値でして、それが修正されたと見るべきです。スワップポイントは少し減ったかもしれませんが、安定感が出始めてきたとも考えられます。スワップポイントを狙う投資は長期運用が大前提ですから、一時的にもらえるスワップポイントより、政治や経済が安定していることの方がずっと重要です。

例えば、政策金利が20%を超えていても、物価上昇率が20%を超えていれば通貨の価値もどんどん下がっていることになります。全体の状況を見て、その政策金利が適正かどうかを判断していきましょう。

鹿内:その判断はどういう情報を見れば良いですか?

井口:例えば経済指標ですね。毎回の数値の良し悪しを見るのではなく、連続して数値が良くなっていれば経済が上向きであると判断できます。

鹿内:なるほど。そういったファンダメンタルズ分析とは別に、テクニカル分析からも狙うタイミングは分かりますか?

井口:チャートの分析は、通貨ペア次第ですが、トルコリラ円だと他の通貨ペアとは違う見方をした方が良いでしょう。長い下ヒゲが出れば、普通の通貨ペアなら底になったという判断もできますが、トルコリラ円の場合はそうなっていません。チャートだけを見て、買いのタイミングを探るのは危険です。

メキシコペソ円と南アランド円はチャートで安値を見極める

鹿内:メキシコペソ円はいかがでしょうか。

井口:トルコとは違って、メキシコの経済は底堅い動きをしています。世界的には経済の縮小とも言われていますが、NYダウはいまだに史上最高値付近にあり、米国の経済は依然として好調。メキシコは、この米国の隣国というアドバンテージがあり、人・物・お金が動きやすい環境下にあります。欧州やアジアに対して、米国一強の状態はすぐには終わりませんから、その恩恵を受けるメキシコ経済は期待できます。

新興国なので外部要因の影響を受けるのは仕方ないのですが、チャート的には5.0円~5.5円くらいの水準で買いを入れていくのは、中長期的なスタンスならありだと思います。

鹿内:メキシコはトルコよりは安定しているため、チャート分析が有効というわけなんですね。

井口:そうですね。チャート上から確認できるレンジを狙って良いと思います。

鹿内:同じ新興国でも、政治や経済の状況で重視するデータは違うということなんですね。

井口:そうですね。メキシコとトルコを比べるなら、そこには差があると思います。トルコ発の経済クラッシュは起きてもおかしくないですが、メキシコ発のクラッシュはトルコと比べ可能性が低いと思います。

鹿内:南アフリカはいかがでしょうか。

井口:この国の足かせになっているのは、国内の電力供給の9割以上を独占するエスコムですね。この国営会社の巨額債務がいまだに解決していません。新たに国が支援しなければ、2020年に破綻するという話もあり、この問題が南アランド円の上値を重くしています。

ただ、世界的な利下げサイクルによって、南アに限らず新興国の地合は良いと思います。長い目で見て、今が安値だと思って拾っていくという考え方も良いのではないでしょうか。

鹿内:こちらも、トルコリラ円よりはチャートが効きそうですか。

井口:そうですね。7円付近を抵抗と見立てて、買いで入るのも良いでしょう。あわてて今すぐ買うのではなく、ゆっくり待って安いところを拾っていくのが、スワップ運用の基本です。

鹿内:人民元の攻めどころも教えてください。

井口:どこで売りを入れるかがポイントです。中国は先ほどもありましたいわゆる為替操作国ですが、その分トレードはしやすいとも考えられます。政府の方針通りに価格が誘導されますから。自由貿易ではないからこそ、トルコリラのようにヘッジファンドに狙われてクラッシュをするというようなことも起きにくいです。

ですので、トランプ大統領の貿易関連の発言で元安になっているときは短期的に売りつつ、どこかでやってくるセリングクライマックス(売り相場から買い相場への転換)に対して、目を光らせましょう。スワップを狙う長期投資なら、安いところで買ってずっと持つのが理想。近い将来やってくる元高に向けて、今から意識をしておくと良いです。でも目先は元安ですから、あわてて買うのはおすすめできません。

鹿内:今のドンパチが終わるまでは、売り目線ですね。

井口:はい。ただ、どこかでトランプ大統領も株価を上げないといけなくなってきますし、そのタイミングは意外に早いかもしれません。 購買力平価から見れば、今の人民元は3割くらい安いと言えるでしょう。なので、超長期的視点で余裕を持ってポジションを保有できるのなら、買うという考え方もあります。

最悪のケースを基準に投資サイズを決める

鹿内:スワップ運用の資金配分には目安がありますか?

井口:実効レバレッジでいえば、2~3倍くらいです。ただこれは通貨ペアによって変わる部分で、トルコリラ円のようにどこまで下落するか予測が難しい場合には、もうちょっと余裕を持った方が良いですね。資金効率より、安全かどうかを重視します。

鹿内:なるほど。関連して、スワップ運用が上手な人に、何か傾向はありますか?

井口:買ったあとは触らない、口座の状況を気にしない人です。人はどうしても利益が出てきたら早く決済してしまったり、損失が膨らんでくるとナンピンしたり、とにかく余計な行動をします。ですから「余計な行動をしない」というのが1つ目のポイントですね。もう1つは、しっかり計算すること。安値がここまではあり得て、その場合のレバレッジは何倍だから、この資金なら●%を増やせる、のような。

これを突き詰めていくと、資金管理が全てという結論に到達します。スワップ運用ですから、損切りはしません。ですので、損切りせずに済むロット数でエントリーできることが重要です。うまくいかない人はこのルールを守れない、つまりポジションサイズが大きいですね。例えば「1日いくらもらえるから」のように、うまくいく場合の思考でロット数を決めてしまいます。

鹿内:うまくいかない場合を基準にするべきということなんですね。

井口:そうですね。1日100円もらえる運用がうまくいったら、すぐに1日に200円もらえる運用にしたくなるものです。しかし得をすることを軸にする思考では、長くスワップ運用はできないですね。うまくいかない人は、どうしてもポジションサイズを大きくしてしまいます。

鹿内:そういった人たちは、途中まではうまくいっていても、リーマンショックのような暴落が来てみんないなくなってしまう、と。

井口:リーマンショックでもチャイナショックでも、2019年の1月のフラッシュクラッシュもそうですが、相場は定期的にクラッシュしています。ですので、今後の可能性も非常に高いと思うべきです。

鹿内:いつかは来る可能性がありますよね。だからこそ、史上最安値を下回ってもまだロスカットにならないという判断をすれば良いのでしょうか。

井口:そうですね。メキシコペソ円なら、3円くらいまでロスカットにならない資金で運用すれば、これはさすがに一発でそこまでは行かないだろうと。

鹿内:最安値を少し下回るくらいならあり得るので、大きく割り込んでもなお耐えられる資金ということですね。こう考えると、運用を始める前の準備や計画が全てですね。

井口:その通りです。とにかく生き残るための考え方です。

鹿内:長く続けるとスワップポイントがたまってきて、暴落に対する防御力も高まっていきますしね。反対に、スワップ運用のために保持している通貨ペアがものすごく上昇したら、どこかで一度利食いした方が良いでしょうか。

井口:それもありですね。持ち続けても良いですし、こちらは好みです。1つの考え方として、始める前に決めていた、年間でこれくらいスワップポイントが入ってきて、いくらプラスになるといったプランを大きく上回っているようなら、一度確保するのも良いですね。

鹿内:もう1つ教えてください。スワップ運用において、複数の通貨ペアをポートフォリオ的に保持するのは有効でしょうか。

井口:保険のために分散するのは良いと思います。今の時点ではメキシコペソの地合は良いと思いますが、これがそのまま続くかは分かりません。政変や天変地異は予測できませんので、今回紹介した4種類の高金利通貨ペアそれぞれに分けて投資することでそのリスクは軽減されます。

慣れてくると相場全体が見られるようになってくる

鹿内:トレイダーズ証券は、スワップポイントだけでなく、スプレッドの狭さもかなりハイレベルなものを提供されていると感じます。

井口:創業以来、当社の企業理念として個人投資家の皆さんに、機関投資家と同じレベルの取引環境をお届けすることを掲げています。個人投資家が見ているプライスと、私たちがインターバンクで見ているプライスはやはり違うのですが、できるだけそれを近づけるためにできることをやっていくという考えです。スプレッドはたしかに私たちのメインの収入源なのですが、そこは薄利でも構わないので、良い環境を作っていこうというのが会社全体の目標になっています。

鹿内:クロス円(円が絡んだ通貨ペア)だけでなく、ドルストレート(ユーロドル、ポンドドルなど、円が絡まない対ドルの通貨ペア)のスプレッドも狭いですよね。

井口:はい。こちらもいけるところまでは圧縮しようという方針です。

鹿内:とはいえ、FX初心者にとってドルストレートはハードルが高いかもしれません。

井口:そういう部分はありますね。ユーロドルが1.1といわれてもピンときませんが、ドル円が110円ならすぐイメージできます。これはもう日本人だから仕方ないです。ですので、ある程度FXに慣れた中級者になってから、ドルストレートを積極的にトレードしていただければと思います。

鹿内:御社の顧客にはそういった傾向があるのですか?

井口:はい。ある程度経験を積んでくると、例えば「ドルストレートが素直に動きやすい」とか、そういった知識や技術も投資に取り入れられるようになってきます。

個人的には、基軸通貨のドルが絡んだドルストレートを見ることで、相場の全体像が分かってくると思います。また、通貨ペアではなく通貨単体で判断することで、相場の見え方が違ってくるでしょう。例えばブレグジットでポンドが注目されれば、それとは関連性が薄い豪ドルがまた別の動きをしたりと、相場は面白いですよ。ドルを買おうと思えばドル円ロング、つまり円売りを組み合わせるのが一般的なんですが、相手となる通貨ペアは円じゃなくてもいいわけじゃないですか。国それぞれを見ていくイメージですね。

鹿内:ところで、「みんなのFX」と「LIGHT FX」という2系統の商品がありますが、これらはどう違うのですか?

井口:現状では違いません。ハイスペックな2つの口座を使っていただけるようになっています。一方ではスキャルピング、もう一方ではスワップ投資のように、異なる投資をするときに口座を分けるといった使い方ができます。

多数派に飲み込まれない意識

鹿内:御社の取引ツールについて、売りとなるところを教えていただけますでしょうか。

井口:まずは実効レバレッジシミュレーションです。すでに述べた通り、スワップ運用をする場合にはレバレッジを低く抑えるのが基本中の基本ですが、資産に対してどれくらいのロットを持てばレバレッジが何倍になるかという計算は、実はちょっと複雑です。それを手軽にできるのがこちらです。また、狙ったレバレッジで取引するためには、どれくらいの資産が必要かという計算も簡単に行えます。

鹿内:これは非常に簡単で分かりやすいですね。

実効レバレッジシミュレーションはこちら

井口:あとは価格分布です。こちらはパソコン版取引ツールと、アプリ版で使えるものですが、当社顧客がどの価格帯でどれくらいポジションを持っているかが見られるものです。

鹿内:いろいろな使い方がありそうですが、初心者はまずどのあたりに着目すれば良いでしょうか。

井口:まず、売られているポジションと買われているポジションのどちらが多いかを見ます。

次に現在の価格を基準に、その時点で相場に捕まっている人がどれくらいいるかを意識します。グラフを4つのエリアに分けたとき、右上が今より高く買っているので、含み損になっている買いです。左下が今より安く売っているので、含み損になっている売りです。この2つのエリアのボリュームを主に見ます。

買いと売りでどちらかが多い場合は、その人たちの損切りにより相場が動き出すタイミングを意識します。例えば売りで負けているポジションが多い場合、ここからさらに上がっていくと含み損に耐えきれず売りポジションを手放す動きが活発になるため、もう一段の上昇トレンドが予想できるというわけです。

鹿内:勝っている人ではなく、負けている人の情勢が大切なんですね。

井口:多数派ではなく、少数派に回る意識ともいえます。うまくトレードするポイントは、多数派に飲み込まれないことです

鹿内:こちらはトレイダーズ証券のポジション状況ですが、他の証券会社も似た状況と考えて差し支えないですか。

井口:はい。口座が違っても投資家の傾向はほとんど同じです。

どれか1つを学ぶならまず資金管理から!

鹿内:これからFXを始める方は、何から勉強をすれば良いのでしょうか。

井口:厳しいことを申し上げますと、FXの世界はゼロサムゲームですから、誰かが勝てば誰かが負けます。

これはスワップポイントも同じで、誰かがスワップポイントを受け取れば、誰かがスワップポイントを払っています。そして、初心者とプロが全く同じ土俵で勝負をしなければいけませんから、しっかり勉強しないと生き残れません。最低でも本を1冊くらいは通読してから始めるべきです。分からない言葉がたくさん出てくると思いますが、これらはいずれ点と点がつながって線になるので、気にせず勉強を続けてください。

鹿内:大変でも、いろいろな要素をまとめて理解していくべきなんですね。その中でも、もしどれか1つだけ、ってことなら?

井口:資金管理です。FXは優れた資産運用の手段ですが、理解するまでにどうしても時間がかかります。生き残ってさえいれば、着実にレベルアップしますから、資金を残す技術や考え方ですね

鹿内:資金管理とは、具体的にどういうことなのでしょうか。

井口:先ほど解説したスワップ運用なら、この価格まで行ったら損失はどれくらいになるというリスクの事前把握です。そのためには、レバレッジを知る必要もあります。資金がいくらで、これくらいのロットが動いていて、最悪の場合はこれくらい負けるということを、トレードを始める前にしっかり分かっていることが大切。

今日から始めた人が、いきなり買ったり売ったりを頻繁に繰り返すことはなかなかなく、まずは最初にポジションを持ってみようということになります。このときに、資金管理やレバレッジを分かっていないと、いきなり危険な枚数でトレードを始めることになります。まずはここからですね。

鹿内:いくら勝てるかではなく、いくら負けるかなんですね。

井口:もちろん予想も大切です。ただ、私はこの業界が長くて、たくさんの個人投資家の取引を見てきましたが、ロットサイズが大きい人が本当に多いです。これで逆行したら、いきなりピンチになってしまいます。逆に小ロットなら、仮に負けてもトレードは続けられます。

鹿内:次に、ある程度経験はあるものの、まだ結果が出せていない人はどうすれば良いでしょうか。

井口:私がまだ新人ディーラーだったころ、先輩に教えられたのは、同一銘柄を同一時刻にチェックすることです。朝の8~9時に必ずドル円を見て取引をするというような感じですね。時間や通貨が違えば動きも違います。

鹿内:定点観測ですね。

井口:これをいろいろな通貨ペアでやってしまうと、感覚も磨かれませんし、情報も蓄積されません。慣れてからならともかく、最初は条件を絞り込んでみましょう。トレードをしない日でも、これを続けましょう。

鹿内:関連して、どうすれば自分なりのトレード手法を身に付けられるのでしょうか。

井口:近道はないんです。何が自分に合うか、どのやり方ならストレスがないのかは人それぞれですので、さまざまなやり方を試しましょう。

鹿内:そのときに資金管理ができていないと、試す過程でお金がなくなってしまいますね。

井口:ごくごく個人的な考え方ですが、期間が長くなるほど予測が難しいです。3時間後のことは分かっても、3か月後にどうなっているかを考えるのは至難の業です。ただこれは人それぞれかなとも思います。

鹿内:最後に読者の皆さんにメッセージをお願いいたします。

井口:トレイダーズ証券では、お客様第一主義。カスタマーサポートに寄せられたお客様からのご意見やご要望に真摯に耳を傾け、すぐに社内で検討させていただいています。改修や機能追加が必要と判断すれば、グループ企業のシステム開発会社と連携して、迅速に開発や改良を行います。そして、このサイクルの速さには自信があります。

今後もできるだけコストダウンをしてお客様が取引しやすい環境を提供していきますので、私たちが怠けているんじゃないかと思われたら、どんどん指摘をしてください。

まとめ

個人投資家が機関投資家と同じ環境でトレードを、という高い理念を掲げるトレイダーズ証券。狭いスプレッド、そして買いと売りで同額に設定されたスワップポイントは、まさにこの理念に基づいたもの。さらに、「今、投資家が求めているもの」を常にリサーチし、提供していくスタンスなので、環境やツールの進化が著しいです。

超短期のスキャルピングから、超長期のスワップ運用まで幅広く対応できるトレイダーズ証券だからこそ、「みんなのFX」と「LIGHT FX」という、ハイスペックな2口座を目的に合わせて使い分けるのも面白いですね。

トレイダーズ証券取材風景5

トレイダーズ証券の会社概要

会社名
トレイダーズ証券株式会社
登録番号
関東財務局長(金商)第123号
本店所在地
東京都港区浜松町一丁目10番14号  住友東新橋ビル3号館7階
代表者
平松 英一郎
資本金
2,324,285,000円

この記事の執筆者

鹿内武蔵

FXライター

鹿内武蔵

SHIKAUCHI MUSASHI

略歴

国内唯一の月刊FX情報誌、FX攻略.comの元副編集長として、2008年の創刊時より取材・編集・執筆に携わる。 多くの勝ち組トレーダーや証券会社を取材してきた経験を活かし、FXが国民的投資になることを目標に活動中。各種メディアでの執筆の他、トレーダーとしてFXの運用も行っている。 →エフプロ執筆者・監修者一覧

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