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じぶん銀行FXの特徴
じぶん銀行は、KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資して設立したインターネット銀行です。実店舗は持たず、インターネットのみで事業を展開しています。じぶん銀行は、銀行としてのサービス(預金やローン、外貨預金、くじの販売など)の一環として、FXサービスも「じぶん銀行FX」として提供しています。
じぶん銀行FXは、じぶん銀行の円普通預金口座を持っていないと利用できません。まだじぶん銀行の円普通預金口座を持っていない場合は、まず口座開設手続きを終わらせてから、FXの口座開設をする必要があります。
すでにじぶん銀行に口座を持っている場合は、FXサービスの申し込みをすることで、じぶん銀行FXでトレードができるようになります。
じぶん銀行FXの大きな特徴は、取引コースが取引数量により3コースに分かれていますが、詳細については次に説明します。
じぶん銀行FXで行うFXトレードの基礎知識
じぶん銀行FXでFXトレードをする場合に知っておきたい、FXの基礎知識について解説します。
対応通貨ペアとスプレッド
対応通貨ペア数は12通貨。クロス円が8通貨でドルストレートが4通貨で、高金利通貨ペアとしてはトルコリラ円と南アフリカランド円が採用されています。
じぶん銀行FXのスプレッドは広めです。同じレベルのスプレッドをもつひまわり証券と、大手FX会社のGMOクリック証券で、スプレッドを比較しました。
ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 | 豪ドル円 | |
---|---|---|---|---|
じぶん銀行 | 2銭 | 3銭 | 4銭 | 3.5銭 |
ひまわり証券 | 1銭 | 3銭 | 5銭 | 4銭 |
GMOクリック証券 ※原則固定 |
0.2銭原則固定 | 0.4銭原則固定 | 0.9銭原則固定 | 0.5銭原則固定 |
じぶん銀行FXのスプレッドは、現在主流となっているネット系FX専業会社と比べるといずれも高めの設定となっています。
取引通貨の規定は取引コースによって違う
じぶん銀行FXは、取引数量によってコースが3つに分かれています。それぞれのコースと取引数量の違いは以下の通りです。
取引コース | 最小取引通貨 | 最大取引通貨 | 1日の建玉上限 | 建玉上限 |
---|---|---|---|---|
ミニ | 1,000通貨 ランド円のみ1万通貨 |
9,000通貨 ランド円のみ9万通貨 |
15,000万通貨 | 1,000万通貨 ランド円のみ600万通貨 |
通常 | 1万通貨 ランド円のみ10万通貨 |
100万通貨 ランド円のみ300万通貨 |
15,000万通貨 | 1,000万通貨 ランド円のみ600万通貨 |
大口 ※ランド円は取扱なし |
110万通貨以上 10万通貨単位 |
300万通貨 | 9,000万通貨 | 600万通貨 |
ミニコースは、1回の取引数量が1,000~9,000通貨に制限されているため少額でトレードしたい人向けのコースで、1万通貨以上でトレードをしたい場合は、通常コースを選ぶことになります。また、大口コースはランド円の扱いがなく、最小取引通貨は110万通貨からです。
レバレッジとロスカットの仕組み
じぶん銀行FXのレバレッジは、新規にポジションを建てる場合とポジションを保持する場合で、以下のように多少の違いがあります。
- 注文必要証拠金:新規建玉の建値の5%(レバレッジ20倍)
- 建玉必要証拠金:建玉の建値の4%(レバレッジ25倍)
ロスカットは、証拠金維持率100%を割り込むことで発生します。ロスカットの判定はリアルタイムに行われますので、FX口座に入っている金額をほぼ全部使って新規に注文を出すと、約定したときにすぐロスカットが発生してしまうこともあり得ます。
資金管理には注意をして、現在の口座状況を確認してから発注するなど、余裕をもったトレードをするようにしましょう。
じぶん銀行FXの主な機能
ここでは、じぶん銀行FXの主な機能について解説します。どのような注文ができるか、といった部分やじぶん銀行ならではの機能を取り上げます。
FIFO注文で素早い取引が可能
じぶん銀行FXでは、FIFO注文に対応しています。FIFOとはFirst In First Outの略語で、注文に新規・決済の区別がなく、保持しているポジションは反対売買によって、約定日時の古いポジションから順番に決済されていきます。この注文方法は、慣れれば決済時にいちいちポジションを選択して注文を出す手間を省くことができ、便利な注文方法です。
トレール注文で損切りレートを調整できる
トレール注文とは、決済するポイントをトレンドに追従させて動かし、できるだけ利益を伸ばすことを狙いとした注文方法。じぶん銀行FXでは、新規・決済どちらの場合でもトレール注文を出すことができます。
トレール注文は、損切り注文の調整にも使えます。保有ポジションに損切り注文を発注している状態のときに、相場が含み益の方向に大きく動きがあると損切り注文のレートも相場に合わせて移動します。
損切り位置を動かすことで、相場が戻ってきたときに損切り注文にかかっても、当初発注していたよりも損失を抑える効果を狙えます。
通貨ペア別の全決済が可能
じぶん銀行FXでは、通貨ペア別に保有ポジションを全決済することが可能です。相場が急変したときや、ポジション数が多くて手動での決済が大変なときなど、手間をかけずに速やかに手仕舞いしたいときに使います。
AIによる為替予測「AI外貨予測」
じぶん銀行FXのスマートフォン用取引アプリには、「AI外貨予測」機能が組み込まれています。
この機能は他社にはみられないじぶん銀行独自開発で、5つの外貨について、価格の上下を予測する機能です。この情報だけでトレードの判断を下すのは危険ですが、判断材料のひとつとしては使える機能です。
じぶん銀行FXの提供している取引ツール・アプリの特徴
じぶん銀行FXでは、どのような取引ツールが使えるのでしょうか。ここでは、提供している取引ツール・アプリの特徴について解説します。
WEB版取引ツール「ウェブブラウザ版取引ツール」
ウェブブラウザ版取引ツールは、じぶん銀行のインターネットバンキングにログインして、じぶん銀行のメニューから使うことができます。Windows・Macどちらにも対応。シンプルな画面構成ですが、注文やチャート表示などひと通りの操作は可能です。
インストール型のPCアプリ「じぶん銀行FX PCアプリ」
パソコンにインストールするタイプで、WindowsPCのみに対応したアプリです。画面のカスタマイズができる点がウェブブラウザ版と大きく異なる点。その他、チャート表示機能は、複数チャートの表示やチャート反転表示など、機能が多くなっています。
スマートフォン取引アプリ「じぶん銀行FXアプリ」
外出先でもFXトレードができるスマートフォン用の取引アプリ。AI外貨予測機能を搭載しています。注文機能は他のツールと遜色ありませんが、チャート機能はシンプルです。
じぶん銀行のスマホアプリについて詳しく知りたい方は 「じぶん銀行FXアプリの評判は?AI予測が表示できるのはアプリだけ」をご覧ください。
じぶん銀行FXを利用するメリット3つ
じぶん銀行FXを利用するメリットを3点紹介します。
AIによる外貨予測がユニーク
じぶん銀行は、AIによる金融サービスに力を入れており、その一環としてAI外貨予測もリリースしています。この機能は他社にはなく、じぶん銀行FX独自の魅力です。
じぶん銀行口座を持っている人はすぐに使える
じぶん銀行の口座をすでに持っている人は、すぐにFX口座開設を申し込んで使えるようになり、口座を持っていない人に比べて手続きが楽です。さらに、他の金融サービスと合わせて統合して管理できるなど、じぶん銀行FXを利用するメリットはあると言えます。
預金保険制度の対象外だが信託保全で顧客資産は保護
じぶん銀行は銀行だから、FX口座に預けている資産は預金保険制度で守られるか、というとそうではありません。FX口座に預けている証拠金は、預金保険制度の対象外です。
ただ、FX口座に預けている証拠金は、信託保全でじぶん銀行の資産とは別に分けられて保管されていますので、顧客資産は保護されています。万が一じぶん銀行に何かあったとしても、全額返ってくるので心配はいりません。
じぶん銀行FXを利用するデメリット3つ
じぶん銀行FXを利用するデメリットを3点紹介します。
スプレッドが広く短期トレードに向かない
じぶん銀行FXのスプレッドは、FX専業の会社に比べて広い方といえます。裁量トレードで広いスプレッドで勝負し続けていると、スプレッド分のコストも無視できません。
スワップポイントはアプリ内でのみ確認
じぶん銀行FXでは、スワップポイントを公式サイト内に掲示していません。他社との比較ができない点は、デメリットと言えます。FXの口座を開設すれば取引ツール・アプリを通じて確認はできますが若干不便です。
デモ機能がなく試せない
じぶん銀行FXにはデモ機能がありません。ツールの操作性や実際のトレードを体験したいなら、本番の口座を作って試すことになります。FXトレード自体の経験を積むなら、他のFX会社で提供しているデモ口座を利用するなど、別の方法を考えましょう。
じぶん銀行FXを利用する際の注意点
最後に、じぶん銀行FXを利用する際の注意点について解説します。
FXのサポート時間は平日日中のみなので注意
じぶん銀行FXに電話で問い合わせたい場合、サポート時間は平日の9:00~17:00のみになります。日中働いていて、FXトレードは夜間にするという人も多いでしょうから、質問したいことが出てきたときに、気軽に聞けないことは念頭に置いておきましょう。
質問できない時間帯は、「よくある質問」を確認するか、ヘルプをもう一度見るといった自分で解決する努力も必要になります。
短期トレードは控えてスイング~中長期トレードを
じぶん銀行FXはスプレッドが広めなので、超短期トレードのように、数多くのトレードをこなすようなトレードスタイルには向きません。中期~長期トレードで、じっくりと資産を増やしていく、という運用の方向で検討してみましょう。
AIによる外貨予測に頼りきらず複数の指標などで投資判断を
AI外貨予測は便利なツールではありますが、地道にテクニカル分析を行い、ニュースなどの情報収集も欠かさず、可能な限り複数の情報を集めて、総合的に投資判断を下すようにしましょう。