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FXのインジケーターとは?相場分析に役立つ2系統を基本から解説

監修者

松田トラスト&インベストメント代表取締役

松田哲

MATSUDA SATOSHI

記事のまとめ

  • 「インジケーター(テクニカル指標とも呼ぶ)」とはFXの相場を視覚的に分析することをサポートしてくれるツール
  • インジケーターは、中長期の相場が得意なトレンド系とタイムリーな相場状況を表示するオシレーター系に分けられる
  • 絶対的なインジケーターは存在しない
  • 1つだけ選ぶのではなく、複数のインジケーターを併用するのと確度を高められる
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インジケーター(テクニカル指標)とは?

「インジケーター(テクニカル指標)」とは、「FXの相場を分析する時に使うツールで、売買のポイントを探すのに役立ちます」

インジケーターとテクニカル指標は同じ意味と考えて良いでしょう。具体的には、RSIやストキャスティクス、MACDやボリンジャーバンドなどのことを、すべて「インジケーター」と言います。

インジケーター(テクニカル指標)は、大きく分けて2系統のタイプが存在しており、「トレンド系テクニカル指標」「オシレーター系テクニカル指標」とに分類されます。

実際に使われているインジケーターDMMプレミアTOP単純

【トレンド系ってなに?】初歩から徹底解説!

相場の大きなトレンドの流れを掴むのに役立つ【トレンド系】

「トレンド系テクニカル指標」は、相場の大きなトレンドの流れを掴むためのツールです

主に「順張り」の取引を行う際に、タイミングを計るものとして使われます。 「トレンド系テクニカル指標」は、全体的な相場の方向性を探るために使われるため、中長期の相場を分析し予測する時に力を発揮しやすいと考えられています。

ただし、「トレンド系テクニカル指標」は、相場に流れが出てからシグナルを発するので、そのシグナルは遅れて発せられる傾向があります

具体的には、以下のようなテクニカル指標です。

  • 移動平均線(Moving Average)
  • ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)
  • 一目均衡表(Ichimoku Kinko Hyo)

トレンド系はどんな時に使うのがよい?相性のいい相場2選

1.相場の方向性を探るのに役立つ【中長期の相場】

「トレンド系インジケーター」は、全体的な相場の方向性を探るために使われるため、中長期の相場を分析し予測する時に有効と考えられます。 一時的な相場の変動に惑わされずに、大局での相場の流れに乗った取引を行いたい場合に使用すると効果がある、といえます。

「トレンド系」は相場の方向性を探る分析方法です。 トレンドとは、相場の動く方向を示しています。為替相場は、細かい上下運動を繰り返し行いながら、一定方向に向かうという特徴があります。 この流れを捉えて、相場の動く方向がどこに向かうのかを分析するのがトレンド系インジケーターです。

2.トレンド相場に乗りやすい

トレンド系インジケーターを使って上手くいく相場は「トレンド相場」です。逆に、上手くいかない相場は「トレンド相場以外」です。 「トレンド相場」で、トレンド系インジケーターを使用すると、トレンドに乗りやすくなります。

トレンド系の注意点

トレンドの勢いをチェックすることが大切

トレンドが発生していても、「そのトレンドが始まったばかりなのか、すでに終わりが近いのか?」を見極める必要があります。 トレンドが発生しているときにはトレンド系インジケーターの示すサインで売買するのが良いでしょう。 勢いのあるトレンドが発生している場合は、長期間同じトレンドが続くこともあります。

しかし、勢いがないトレンドはすぐに終わってしまいます。そのため、どれくらいの勢いがあるのかも知る必要があるのです。

トレンド系の欠点

トレンド系の欠点は、「エクスパンションのダマシ」 と言われるものがあるということです。 エクスパンションとは、ある一定期間、値幅の狭いレンジ相場の状態から、一気に一方向にブレイクアウトすることをいいます。

「ダマシ」とは、テクニカル分析において売買サインが出たものの、相場はそのサインとは全く逆方向に動いていくことを指します。 つまり、「エクスパンションのダマシ」とは、レンジを突き抜けたと思いきや、長い上ヒゲか下ヒゲをつけて反転して、またレンジ内に戻ってくることです

「エクスパンションのダマシ」は、比較的に頻繁に起こります。

【オシレーター系ってなに?】初歩から徹底解説!

ボックス相場で役立つ【オシレーター系】

「オシレーター系テクニカル指標」は、短期相場でも長期相場でも、様々な局面で使用することが可能ですが、主としてボックス相場で力を発揮するツールです

「オシレーター系テクニカル指標」は、主として、「逆張り」の取引を行う際に、タイミングを計るものとして使われます。 先に述べた通りに、「トレンド系テクニカル指標」では、シグナルが遅れて発せられる傾向があります。

しかし、「オシレーター系テクニカル指標」は、現在の相場状況をタイムリーに表示する傾向があります。 そのため、すぐに相場の動きに対応ができるので、特に短期売買を主とする投資家に利用されることが多いテクニカル指標です。

具体的には、以下のようなテクニカル指標です。

  • RSI(Relative strength index)
  • MACD(Moving Average Convergence Divergence)

オシレーター系は「買われすぎ」か「売られすぎ」かを示す

「オシレーター系テクニカル指標」とは買われすぎなのか、売られすぎなのかを判断するためのツールです

  • 「現在の為替レートは高すぎだから、下落に転じる可能性がある」
  • 「現在の為替レートは安すぎだから、上昇に転じる可能性がある」

というように、高値警戒や安値警戒を示唆してくれるテクニカル指標です。

オシレーター(Oscillator)には「振り子」の意味があります。オシレーター系のテクニカル指標は、振り子のようにある一定の範囲を行ったり来たりする動きを見せることから名付けられたものです。

下の図でも示されているように、オシレーター系テクニカル指標は、価格の下に別枠で描かれ、一定の範囲内で振り子のように動きます。 主に相場の「売られすぎ」や「買われすぎ」の状態を知るために使われ、「0~100」または「-100~+100」の数値で表されます。

また、相場の細かい強さや弱さを測る際にも力を発揮します。

実際に使われているオシレーター系テクニカル指標 オシレーター系振り子の説明

オシレーター系はどんな時に使うのがよい?相性のいい相場2選

1.ボックス相場の場合

オシレーター系テクニカル指標は、「ボックス相場でよく機能する」と言われています。 価格の絶対水準とは関係なく、現在の相場が買われすぎなのか、売られすぎなのかを分析することに優れています。

短期で価格に大幅な動きがない局面に使えるテクニカル指標です。

2.トレンド相場ではない場合

オシレーター系インジケーターを使って上手くいく相場は「トレンド相場以外」です。逆に、上手くいかない相場は「トレンド相場」です。 「トレンド相場以外」の時に、オシレーター系インジケーターを使用すると、予想通りの値動きになりやすいです。

オシレーター系の注意点

オシレーター系テクニカル指標の欠点は、明確なトレンドがある場合は役に立たないこともあるということです。相場は時として、一方向に大きく動くことがあるからです。

オシレーター系テクニカル指標がまったく役に立たないときは、買われすぎや売られすぎのサインが出たままの状態が持続します。

どれを使えばよい?知っておきたいインジケーターの選び方と使い方

インジケーターには、何十種類もの種類が存在します。沢山のインジケーターが存在するということは、実は絶対的なインジケーターは存在しないということでもあります。 それぞれのインジケーターに長所と短所があり、それぞれに使い方があるということです。

【選び方】複数のインジケーターを選ぶ!

テクニカル指標

インジケーターを選ぶのであれば一つだけでは足りません

為替相場の値動きには、「トレンド相場」「ボックス相場(トレンド相場以外の相場)」の二つのパターンが存在するからです。 そして、それぞれに得意なインジケーターを当てはめると、「トレンド相場」ならばトレンド系インジケーターであり、「ボックス相場(トレンド相場以外の相場)」ならばオシレーター系インジケーターになります。

どちらの相場にも対応できて得意であるといったインジケーターはありません。 「1つのインジケーターをずっと使い続けたほうが判断にブレがない」と考えるのは、間違いです。

1つのインジケーターにこだわると、その長所に当たった時には利益が出て良いのですが、その短所に当たった場合は損失になりがちだからです。

【使い方】オシレーター系とトレンド系を上手く使い分ける!

トレンド・オシレーター比較表

トレンド系インジケーターとオシレーター系インジケーターから、それぞれ一つを選び、相場に応じて、それぞれのインジケーターを使い分ける必要があります。

もちろん、それぞれのインジケーターは一つだけに限る訳ではないので、トレンド系インジケーターもオシレーター系インジケーターも、複数使用しても構いません。 「トレンド相場」ならばトレンド系インジケーターをメインにして相場を分析し、オシレーター系インジケーターを補助的に使います。

逆に、「ボックス相場(トレンド相場以外の相場)」の時には、オシレーター系インジケーターをメインにして相場を分析し、トレンド系インジケーターを補助的に使用します。 重要なポイントは、「トレンド相場」だからといってトレンド系インジケーターだけを使うのではなく、「トレンド相場」の時にも、オシレーター系インジケーターを見ることです

トレンド系インジケーターとオシレーター系インジケーターを両方使うことで、「トレンド相場」における判断がより的確なものになるからです。そのため、複数のインジケーターが必要ということになります。

そして、組み合わせて使いたいパターンは、得意な相場が異なる「トレンド系インジケーター」と「オシレーター系インジケーター」の2種類です。

この記事の監修者

松田トラスト&インベストメント代表取締役

松田哲

MATSUDA SATOSHI

略歴

早稲田大学法学部卒業。 三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として、法人・個人向けコンサルティング業務を行っている。著書『外貨崩落』(技術評論社)などで米ドル/円相場、クロス円相場の下落を見事的中。『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』(技術評論社)『FX短期売買の教科書』(扶桑社)など、多数の著書がある。有料のメールマガジンやシステムトレードも配信している。 →エフプロ執筆者・監修者一覧

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