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2019.08.30更新

FX勉強

FXのファンダメンタルズ分析とは?見るべき経済指数や基礎知識を解説

「ファンダメンタルズ分析ってなに?」
「どのように分析すればいいの?」

FXの分析方法には過去のチャートの動きを見る「テクニカル分析」と、経済動向や政治情勢によって相場の方向性を探る「ファンダメンタルズ分析」があります。

FXの初心者であってもファンダメンタルズ分析で用いる経済指標などを読み解く力は必要になってきます。

この記事ではファンダメンタルズ分析について、初心者にもわかりやすく解説していきます。

記事のまとめ
  • ファンダメンタルズ分析とは、経済動向や政治情勢により相場の方向性を探る分析方法です
  • FX初心者であってもファンダメンタルズ分析の知識は必要です
  • ファンダメンタルズ分析では情報収集が大切になるので、日々世界経済などのニュースを確認しましょう

ファンダメンタルズ分析とは?

FXの分析手法には、「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」の2種類があります。

ファンダメンタルズ分析とは、経済動向や政治情勢によって相場の方向性を探る方法で、テクニカル分析は主にチャートを用いて売買のタイミングを見極めます。

FXは2国の通貨を取引しますが、両国の経済格差が明確に変わったり、アメリカの為替政策が大きく変更されたときなど、ファンダメンタルズが方向性を示している場合、相場はテクニカルを無視して動き出します。

そこまで大きな転換点がなくても、まずはファンダメンタルズを理解しておかないと、相場の方向性がわかりにくくなってしまいます。

ファンダメンタルズ分析とは?本来の使い方は?

ファンダメンタルズ分析は、もともと株式投資で使われていた手法です。

株式の価値を決める企業の財務状況や業績を分析し、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)、ROE(株主資本利益率)を用いて、その株式の市場価格と照らし合わせ、割高か割安かを判断します。

FXにおいても同じようなことで、ファンダメンタルズ分析によって通貨の割高・割安を判断するものです。株式とFXのファンダメンタルズ分析の違いは、分析に用いる情報ソースということになります。

FXの場合、分析に用いるのは各国の経済指標や、そのときに注目されている世界情勢になります

ファンダメンタルズ分析は、そもそも相場の方向性を探るために使われます。重要な指標の発表やイベントが起きるときには、その成否を予測して相場は動きます

また、FXでは2国間以上の通貨取引となりますので、投資をする通貨発行元の国の情報だけでなく、他国の情勢や、それらの国を取り巻く世界情勢にまで目を配る必要があります。

テクニカル分析とは何が違う?

一方、テクニカル分析とは、過去の値動きにどのような傾向があるかを分析し、将来の値動きを予測する手法です。

テクニカル分析も、もとは株式投資に使われたものです。分析の方法は多岐にわたります。

有名なものでは、移動平均線やボリンジャーバンド、ストキャスティクスやMACDがあり、これらを組み合わせて使うのが一般的です。

テクニカル分析は市場に参加する者が、過去にどのような取引をしてきたかを分析するもので、上記のように世界情勢などの情報を元にするファンダメンタルズ分析とは手法が異なります。

テクニカル分析をより詳しく知りたい方はこちら

ファンダメンタルズ分析ではどうやって情報収集を行う?

ファンダメンタルズ分析には、とにかく情報収集が欠かせません

まずは日々の経済ニュースの確認をし、どういう情報が流れると為替相場が反応するのか、逆に反応しないのかという知識をためていくことが大事です。

経済ニュースに関しては、テレビや新聞、銀行や証券会社などで取得できます。ただし、取得する情報はあくまで事実のみとし、その事実によって相場がどう動いたか、結果だけを蓄積していってください

ドル円チャート
例えば…
2013年4月、日本銀行は「これまでとはまったく次元の違う金融緩和(異次元緩和)を行う」と発表しました。

このニュースが流れると、2012年末に80円半ばだった円は円安へと基調を変え、5月には1ドル=100円を超える円安となりました

ドル円が100円台になったのは4年ぶりのことでした。その後も、日銀の金融緩和が発動されるたびに、ドル円は円安方向に動いたのです。

こうした経済ニュースの蓄積と並行して、経済理論を学んでFXと金融市場のつながりを知っておくことも必要です

この他にも…
長期にわたる為替レートの決定理論に「購買力平価説」というものがあります。

取引コストや貿易障壁がなければ、世界中の財価格が等しくなるという「一物一価の法則」に基づくもので、2国間の物価上昇率の差を計算して為替相場を予測する方法です

厳密には、前提となっている「一物一価の法則」が成立しないので、机上の空論ではあるのですが、近似的には成立しているということで多くの学者が採用しています。

ミクロ経済とマクロ経済も学んだ方がいい理由

FXの為替レートは国家間の資金の流れで決まりますから、マクロ経済の方で経済状況を調べることになります。

ゆえにファンダメンタルズ分析を有効活用するには、マクロ経済を学び知識を持つことが大事になってきます。

ファンダメンタルズ分析に使える情報って例えばどんなもの?

ファンダメンタルズ分析には、さまざまな情報が存在しますが特に米ドルは基軸通貨であるため、アメリカから発表される経済指標は、非常に重要なものとなります。

また、数字として発表される指標だけでなく、英国のEU離脱(Brexit)のような先進国の政治動向も、重要なファンダメンタルズ情報です。

為替レートの変動における原理原則は、景気の良い国の通貨が買われ、悪い国の通貨が売られることです。

しかし、景気の良し悪しはたいていの場合ニュースを読んでいれば明らかです。アメリカの景気が良いことを誰もが知っていて、そこに景気の良い経済指標が発表されても相場は動きません。

為替相場は、現在どうなっているかより、将来こうなるであろうという見通しに反応するものです

市場参加者たちは、あらゆる経済指標を予測し、現状より良い数値が出そうだと思えば通貨を買い、そうでなければ売る、もしくは他国の通貨を買います。

また、為替は2国間の通貨を取引対象とするので、2国を比較して「より良さそう」な方の通貨を買います。

たとえば、日本とアメリカのどちらも景気が悪いけれど、日本の方がより景気が悪くなりそうだと思えば、アメリカの景気が悪くてもドル高・円安の方向に進むのです。

ファンダメンタルズ分析では、現状を把握することはもちろん大事ですが、それ以上に、先行きがどうなりそうかを判断することが重要です

FXのファンダメンタルズ分析に有用な情報は?

【FXのファンダメンタルズ分析に有用な情報5つ】
  1. 米国経済指
  2. 先進国の政治動向
  3. 各国の金融政策・政策金利
  4. 国際的な会合の動向
  5. 地政学的リスク情報

それでは、ファンダメンタルズ分析の中でも、重要度の高い指標や情報について解説します。

米雇用統計が発表されて相場が大きく動いたときのチャート(1分足)

アメリカが発表する経済指標はたくさんあります。中でも、市場が注視しているのが雇用統計です。

アメリカの雇用統計は毎月第1金曜日に全部で10項目の統計が発表され、有名なのは失業率と非農業者部門雇用者数の2つです。

米国雇用統計に含まれる10項目のすべてが重要な指標となりますが、特に失業率と非農業者部門雇用者数に為替レートが大きく反応することが多いです

例えば…
2019年7月に発表された、6月分の雇用統計では、非農業者部門雇用者数が予想の16.0万人増をはるかに上回る22.4万人増となり、ドルが買われてドル高・円安となりました。

雇用統計以外にも、相場の行方を左右するのが、貿易収支(毎月20日前後)、経常収支(毎月20日前後)、小売売上高指数(毎月第2週目)、消費者物価指数(毎月15日前後)、ISM製造業景気指数(毎月第1営業日)、住宅着工件数(毎月第3週目)といった経済指標になります。

また、指標以外にもFOMCの動向も注目されます。

【FOMCとは】
連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)の頭文字をとったもので、アメリカの金融政策を決定する会合のことです。
FOMCは年に8回開催され、現在の景況判断や政策金利の方針などが決定されます。

発表機関:米労働省労働統計局

【米国経済指標で重要な指標】
  • 失業率
  • 非農業者部門雇用者数
  • 貿易指標
  • FOMCの動向

⑵先進国の政治動向

欧米各国や中国の政治動向も、相場を動かす要因となります。たとえば、4年に一度行われるアメリカ大統領選挙があります。

投票日が近づくと、候補者の掲げる政策に注目が集まり、期待を含んだ株価上昇が起こる傾向にあります。

アメリカ以外の先進国の情勢でも、為替は動きます。2019年の関心事の一つといえば、Brexitです。イギリスとEUの交渉は難航し、合意なき離脱に至る可能性まで現実味を帯びてきました。

もしそうなれば、イギリス国内の経済活動に深刻なダメージを与える公算が大きいです。

合意なき離脱は今までになかった事態なので、為替がどう動くのか未知数な部分が大きく、ポンドからリスク回避の円に流れれば円高になりますし、米ドルへ向かえばドル高になります。

⑶各国の金融政策・政策金利

金融政策は、物価や通貨の安定のために、その国の中央銀行が行う経済政策のことです。情勢を踏まえて金融緩和を行うか、金融引き締めを行うかを判断し、実行に移します。

為替レートに影響を与えるのは、その中でも政策金利になります

ドル円チャート画像
政策金利は、景気が過熱していると判断すれば引き上げて(利上げ)景気を冷まそうとし、景気が後退していると判断すれば引き下げて(利下げ)失速を防ごうとします。

資金は政策金利の高い方へ流れますので、たとえばアメリカが利下げを行えば、米ドルから資金が流出するのでドル安となります。

⑷国際的な会合の動向

G20サミットやG7サミットなど、ニュースでもよく耳にする金融関連の国際会議も、市場参加者は注目しています。

国際会議では、各国間での協調体制がどこまで維持されるのか、経済政策や金融政策の連携がどこまでなされるのか、といったことに注目が集まります

⑸地政学的リスク情報

地政学的リスクといえば古くはシリア情勢で、シリアの隣国のトルコにも影響が出て、トルコリラの下落が始まりました。

トルコリラの下落は、エルドアン大統領の独裁色が強まったのが原因の一つですが、それはシリア情勢の悪化でクルド人武装勢力がトルコ内に大量に流入し、国内情勢が不安定化したのが大きな要因でした。

2019年7月時点の重要な情報として、米中貿易戦争があります。アメリカのトランプ大統領が、中国に対する貿易赤字があまりにも大きいので、アメリカの製品をもっと輸入するよう中国に要求しました。

しかし中国は、輸入を増やせば国内企業が打撃を受けるので、トランプ大統領の要求を拒否したのです。

再三の要求を拒む中国に対し、トランプ大統領は一部の中国製品に最大25%の関税を課税することを決め、中国からの輸入を抑制しようとしました。

中国側はこの実力行使に譲歩して米中貿易協議を行なっていますが、アメリカの要求を全面的には受け入れておらず、いまだに貿易戦争の終結目処は立っていないのが現状です。

【関税強化は増税になって経済に影響】

貿易戦争が為替相場にどう影響するかですが、アメリカの要求を中国が受け入れた場合は、アメリカの貿易赤字が減って、ドル高人民元安になります。

受け入れない場合は関税発動で、中国製品は値上がりしますが、中国企業が値段を維持する努力をしない場合は、アメリカの消費者が中国製品を高く買うことになります。これは個人の家計を圧迫して消費の落ち込みに繋がり経済活動が縮小します。

増税によりアメリカ政府だけがプラスになる仕組みになっていて、増税は米国の景気にマイナス効果を及ぼします。

世界経済をけん引するアメリカの景気悪化は、FRBを利上げから利下げに方向転換させるほどの影響がありました。この利下げへの方針転換で為替相場ではドル安が進むことになりました。

さらに利下げで、他国も利下げを行いやすくなり、オーストラリアやニュージーランドも利下げをして国内の経済の回復を目指しています。

ファンダメンタルズ分析を有利に進めるために必要な情報収集

一国のファンダメンタルズ分析をするために必要な情報は数多く存在します。経済成長率や物価上昇率、失業率、財政収支、経常収支、資本収支などさまざまです

たとえば、物価上昇率が低ければ、景気の冷え込みを懸念して利下げが行われる可能性が高まります。失業率が上昇すれば、景気の悪化が考えられて下落圧力となります。

また国境を越えた投資活動の収支を表す資本収支がマイナスになれば、その国から資本が流出しているので、これまた下落圧力となるのです。

ファンダメンタルズ分析のリスクや注意点は?

さて、ファンダメンタルズ分析についていろいろ述べてきましたが、ファンダメンタルズ分析にもリスクや注意点があります。

リアルタイム情報の収集は難しい

情報というのは、誰も知らない情報に価値があります。誰もが知っている情報は現状把握には役立ちますが、自分だけが利益を出すのは難しいでしょう。

情報は鮮度が命です。しかし、私たち一般人は、分析に役立ついずれの情報もリアルタイムで入手することはできません。

経済指標などの情報を真っ先に手にするのは、銀行や証券会社といった金融機関です。また、取引額の7割以上を占める投機筋のポジショニングを把握できるのは、彼らと取引関係にある金融機関だけです。

したがって、リアルタイムの情報戦で投機筋を上回る利益を出すことは難しいのです。

専門知識がないと難しい

情報を集めるだけなら、時間さえかければ誰にでもできます。問題なのは、その情報をどう組み合わせて、どう判断するかです。

FXにおけるファンダメンタルズが多岐にわたることは前述した通りで、各国の経済指標が世界経済の流れにどう反映されていくのかを判断するには、経済学的な知見がないと難しいと言わざるを得ません。

また、国家間の軋轢や貿易によって、為替にどんな影響が及ぶのかということになると、さらに難しい学問的なアプローチが不可欠となります。

各国の政治情勢や歴史を把握し、それを世界経済と照らし合わせて、今後の見通しを立てるとなると、もはや専門家の領域です。

国だけじゃない!投機筋の動向も重要

為替相場では、ファンダメンタルズ分析では追いつけない変動というものがあります。

それが、投機筋の動向です。取引額の7割以上を占める彼らの動きが、ファンダメンタルズを無視して方向性を決めてしまうことがあります。

かなり昔のことですが、1992年、大型ヘッジファンドが英ポンドに大量の売りを浴びせました。その取引額は70億ドルにも上ったといわれ、市場は一斉にポンド売りに走りました。

イングランド銀行は必死に防戦に努めましたが、結局白旗を挙げたのはイングランド銀行でした。

現在はここまで大きなヘッジファンドは存在しないので、先進国の中央銀行が体力負けするほどの変動は起こらないはずですが、投機筋がある程度の金額の取引をして、市場が追随することは往々にしてあります。

たとえば、ある金融機関が株式市場で大きな損失を出し、その損失を抑えるために為替市場で利益確定の売りを出した場合、ある程度大きな取引額になります。

この取引を見た市場参加者がこの動きについて行くと、相場はファンダメンタルズを無視した方向へ動き出します。

ファンダメンタルズ分析の実用性は?

投機筋の動きによってファンダメンタルズが無視されることはあっても、それが継続的に続くということはありません。

したがって、長期的な観点からすればファンダメンタルズ分析は理にかなっているのです

相場の方向性を把握することはできるので、たとえば経済指標で予想外の数値が発表されても、損失を少なく済ませられる可能性は高まります。

しかしながら、ファンダメンタルズ分析で相場の潮流はわかっても、肝心の売買タイミングはわかりません。そこでテクニカル分析が有用になってきます。

そもそもテクニカル分析は、どのタイミングに、どこで買って、どこで売るかを判断するときに使うものなので、売買タイミングを計るにはもってこいの武器となります。

為替相場で利益を狙うには、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の両方を合わせて用いるのが重要なのです。

記事のまとめ
  • ファンダメンタルズ分析とは、経済動向や政治情勢によって相場の方向性を探る方法
  • ファンダメンタルズ分析を行うためには情報収集が欠かせず、特にアメリカの経済の動きは為替に大きく影響があるためキャッチしておく必要がある
  • 各国の金利動向など世界経済を読み解く必要があるため、ある程度専門的な知見がないと難しい
  • 為替相場で利益を狙うには、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の両方を合わせて用いるのが重要
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