2019.01.29更新
FX勉強
【円高・円安を掴みたい!】いつ取引きすればよい?判断基準2選
この記事の
監修者

松田トラスト&インベストメント代表取締役
松田哲
MATSUDA SATOSHI
- 「円高」の時は「ドル売り円買い」、「円安」の時は「ドル買い円売り」をすれば良い!
- 「円高」になりやすいタイミング:「米ドル金利が引き下がるとき」のとき
- 「円安」になりやすいタイミング:「米ドル金利が引き上がるとき」のとき
- 「売り」を行うチャンスは一度しかない
目次
- ファンダメンタルズ分析で判断の材料となるのは経済指標だけ?
- 【円高・円安がわからない!】徹底仮説
- ドル円レートではドルが主体
- 為替レートの表示方法は市場慣行で決まる
- レートの表現方法6つ
- 円高・円安になりやすいのはいつ?局面2選
- 円高になりやすいのは米ドル金利の引き下げ局面
- 円安になりやすいのは米ドル金利の引き上げ局面
- 円高・円安に合わせて、どう取引する?
- 【「買い」よりも「売り」のほうが重要】理由を解説
- 相場が大きな影響を受けた出来事4つ
- 1.プラザ合意
- 2.LTCMショック
- 3.米国同時多発テロ事件(セプテンバーイレブン)
- 4.2010年頃~2012年頃のドル円が歴史的最安値を更新した時期
ファンダメンタルズ分析で判断の材料となるのは経済指標だけ?
外国為替レートを変動させる要因は経済指標ばかりではなく、その他にも「実需」・「スペキュレーション」・「政治的要因」が挙げられます。
「実需」とは、実際の需要のことです。「スペキュレーション」とは、思惑による取引のことです。
政治的要因では、特に米国の政治的な意向で、為替レートが大きく変動することもあります。実際にあった過去の具体的な例として、「プラザ合意」が挙げられます。
輸出を行なうときの「実需」
輸出企業は、「ドル売り円買い」を行います。これが、輸出の「実需」です。
日本の大手輸出企業は、日本でつくられた自動車や家電製品を米国に輸出します。米国で、製品を購入する人たちが支払うお金はドルです。
製品を輸出した企業はドルを代価として受け取りますが、それをそのまま日本に持ち帰っても日本では使えません。
ですから、そういった輸出企業はドルを円に交換します。

「ドル売り円買い」の具体例
日本の投資家が米国株式や米国債券に投資するとは、それを購入することです。支払いの代価はドルです。
日本の投資家はドルを持っていませんから、持っている円をドルに交換して、そのドルを支払いに使って、米国株式や米国債券を受け取ります。
逆に米国の投資家が日本の株式や日本の債券に投資する場合は、ドルで円を買ってその購入した円で支払いを行います。
これらのケースも、それぞれ「実需」の「ドル買い円売り」と「実需」の「ドル売り円買い」です。
輸入を行なうときの「実需」
輸入企業は、「ドル買い円売り」を行います。これが輸入の「実需」です。日本の輸入企業が、米国から牛肉や小麦、大豆などを輸入する場合にはドルを支払います。
日本の企業はドルを持っていませんから、持っている円をドルに交換してそのドルで支払いを行うのです。
日本の輸出企業は大企業が多く、そういった企業が巨額の輸出をしていることで日本は貿易黒字国になっています。
つまり、輸出企業の「実需」は、巨額の「ドル売り円買い」を行っているということです。

巨額の「ドル売り円買い」を行う日本の石油会社
日本は、石油のほぼ100%を輸入に頼っています。
中東の産油国サウジアラビアの自国通貨はサウジ・リアル(SAR)、クウェートの通貨はクウェート・ディナール(KWD)です。
しかし、産油国である中東の国々は原油の代価をドル(USD)で支払うことを要求します。ですから、日本の石油会社は円をドルに交換して中東諸国に支払いを行います。
日本の石油関連(エネルギー関連)の輸入が巨額であることは周知の事実でしょう。
つまり、輸入企業の「実需」は巨額の「ドル買い円売り」を行っているということです。
「ドル買い円売り」の具体例
米国を旅行する場合は、持っている円をドルに交換して持っていくはずです。そのため、米国に行く場合にも外国為替(通貨の交換)が必要になります。
ゴールデンウィークや夏休みシーズンなどの多くの人が海外旅行にでかける時期には、大量の「ドル買い円売り」が行われます。
これも「実需」の「ドル買い円売り」です。
そして、「実需(実際の需要)」は当然にファンダメンタルズに含まれます。
だから、「実需(実際の需要)」はファンダメンタルズ分析での判断材料となります。
何をみれば「実需」がわかる?
輸出や輸入の実需を確認するには、日本や米国から発表される貿易統計を見ることが必要です。
海外旅行の「実需」の「ドル買い円売り」に関しては、季節要因として意識しておけば良いでしょう。
米国への投資に関する実需については、米国経済指標の「対米証券投資」を見ればわかります。
「対米証券投資」が買い越しの場合は、米国に資金が流入していることを表しています。つまり、「ドル買い」が行われたことを意味しています。
逆に売り越しの場合には、米国から資金が流出していることを示し、「ドル売り」が行われたことを意味しています。
FX市場で利益を得るための4つの方法
1.さまざまな経済指標を読み解く
2.実需の流れを考察する
3.スペキュレーションによる資金の流れを確認する
4.大局で「円高か円安かを把握すること」
FX市場では、実需に基づかない「投機」や「スペキュレーション」と呼ばれる思惑による取引も巨額に行われています。
現実のFX市場(外国為替市場)では、実需よりも「スペキュレーション」のほう方がはるかに巨額です。
しかし、スペキュレーションが行われる根拠になる事柄が実需なので、単に思い付きだけの投機的な売買ではなかなか利益に結びつきません。
【円高・円安がわからない!】徹底仮説
「円安」「円高」が受け入れ難いのは、「ドル」に関する言葉が省略されているからです。
これは、通常の感覚では変です。110円から112円に価格が高くなっているのに、「円安」になったと言うからです。
これも、通常の感覚では変です。110円から108円に価格が安くなっているのに、「円高」になったと言うからです。
ドルの価格が高くなれば「ドル高」、ドルの価格が安くなれば「ドル安」なので言葉通りです。
これは通常の感覚通りですんなりと受け入れることができます。
これも通常の感覚通りですね。
先の例で言い直せば
逆に、ドル円レートが110円から108円になった場合に「2円のドル安円高」になったと言えば良いわけです。
ドル円レートではドルが主体
ドル円レートは、ドルを主体に表示しています。ドル円を考察した場合、「ドル高」とは必ず「ドル高円安」のことを意味します。
逆に、「ドル安」とは必ず「ドル安円高」のことを意味します。
そこでドルの部分を省略して、円の部分だけを取り上げて「円高」「円安」と表示すると、かえってわかりづら難くなってしまうのです。
為替レートの表示方法は市場慣行で決まる
通貨間の為替レートの一般的な表示方法は、市場慣行で決まっています。たとえば、通常の通貨は以下のように「1米ドルがいくら」と表記されます。
これはドルが基軸通貨であるため、そのドルを主体にしているからです。ドルが基軸通貨になる前は、歴史的に見ればポンド(GBP)が基軸通貨でした。
そのことを背景に、現在でも以下のように表記されます。
どちらが基準の通貨となるかは、市場の慣行で決められています。つまり、多くの市場参加者が使用した通貨が基準の通貨となるのです。
レートの表現方法6つ
通常の外国為替取引では、「ドル」というものを「対価の円」で取引しているのです。
FX取引(外国為替取引)が、「通貨」と「通貨」の交換取引であるということは、「対価」対「対価」の取引ということです。そして、「外国為替レート」は何を意味するかと言うと、「その通貨間の交換比率」を表します。
たとえば、通常の表現方法で以下のように表すとしましょう。
この場合、次の表現はいずれも同じことを表しています。
・ドル/円=110.00円
・円/ドル=0.009091ドル
・100円=0.9091ドル
前者は「ドルの円価格」、後者は「円のドル価格」です。
外国為替レートは、通貨と通貨の交換比率ですから、表現方法に違いがあっても「ドルの円価格」=「円のドル価格」になります。
ですから、「ドルの円価格」と「円のドル価格」は実質的な意味・内容は同じです。
「ドル円為替レート」といった場合は、「ドルの円価格」になるのですが、これに関しては「ドルを円価格で表示したもの」と表現したほうほうがわかりやすいでしょう。
これらの表示は、事実上の内容はまったく同じことを表しています。
しかし、通常のドルと円の取引では市場慣行で、「ドル=110.00円」「1ドル=110.00円」「ドル/円=110.00円」の形式で表示されます。
FX取引の特徴的な価格・価値変動
FX取引が、他の取引と比べて特徴的なことは、「通貨」と「通貨」の交換取引(Currencies Exchange Deal)であるということです。
FX取引の場合、一方の通貨の価値が動くと他方の通貨は逆の動き方をします。
ドル(USD)と円(JPY)の取引を例に取ります。
ドルの価格下落は、すなわち、円の価格上昇になります。
ですから、FX取引では一方の通貨の価格変動は、必ずもう一方の通貨の価値変動になっているのです。
たとえば…
「通貨」と「通貨」の交換取引ではなく、「もの」と「通貨」の売買取引で考えてみましょう。
「もの」と「通貨」の取引のほうが、むしろ普通の取引でしょう。
「もの」は通貨以外の何でも良いのですが、価格変動が話題になった原油価格で説明します。
国際的な資源価格の上昇を理由に、原油価格が上昇したと仮定します。
この場合、原油価格は上昇しましたが、それが円の価格(価値)の下落になるわけではありません。
その後、一段落して原油価格が下落したとします。しかし、原油価格の下落が円の価格(価値)の上昇になるわけでもありません。
つまり、FX取引(通貨間取引)ではない取引の場合は、「一方の価格(価値)の上昇が、もう一方の価格(価値)の下落になるわけではない」 ということです。
円高、円安になりやすいのはいつ?
円高になりやすいのは米ドル金利の引き下げ局面
通常のマーケットで「(ドル安)円高」になりやすいときは、「米ドル金利の引き下げ局面」が挙げられます。
米ドル金利を引き下げる場合は、米国の景気が悪くなっているときです。景気を浮揚させるために、金利を引き下げることで、カンフル剤にするのです。
そもそも米国の景気が悪いから利下げになる訳で、ファンダメンタルズとしても「ドル売り(円買い)」を誘いやすい状況です。
しかし、米ドル金利が引き下げになることで、マーケット(市場参加者)は「米国景気(経済)の悪化」を再確認することになります。
そして、米ドル金利が引き下げになれば、米国に投資した資金に対する受け取り利息が少なくなるので、米国に対する投資意欲も減少します。
すでに日本から米国に投資している場合には、ドル金利が下がるのならば、資金を日本に戻そうとする動きも出てくることになります。
つまり、米ドルから日本円へ資金が移動しやすいので「(ドル安)円高」になりやすいのです。

円安になりやすいのは米ドル金利の引き上げ局面
逆に、「米ドル金利の引き上げ局面」では、「(ドル高)円安」になりやすくなります。
米ドル金利を引き上げるのは、米国の景気が良いときときです。金利を引き上げることで、米国の経済(景気)が過熱することを防ごうとする訳です。
もともと米国の景気が良いので、ファンダメンタルズとしても「ドル買い(円売り)」を誘いやすい状況なのです。
しかし、米ドル金利が引き上げになることでマーケット(市場参加者)は、「米国景気(経済)の浮揚」を再確認することになります。
そして、米ドル金利が引き上げになれば、米国に投資した資金に対する受け取り利息が多くなるので、米国に対する投資意欲も増大します。
すでに日本から米国に投資している場合でも、ドル金利が上がるのならばさらに増額して、米国に資金を投入しようとする動きも出てきます。
つまり、日本円から米ドルへ資金が移動しやすいので「(ドル高)円安」になりやすいのです。

判断材料としての政治的要因
実際のマーケットに臨む際に、ファンダメンタルズ分析の「判断材料」の最重要なものとして、「政治的要因」が挙げられます。
米国の政策で、「ドル安円高」を望む場合には円高になりやすくなります。つまり、政治的な要因で「ドル安円高」になるケースがあります。
たとえば…
日米関係で、日本の巨額の貿易黒字が問題になる場合があります。日本の対米貿易黒字は、米国側から見れば米国の対日貿易赤字です。
この問題を解決するために、米国が日本に「為替レートの切り上げ(=円高にすること)」を要求しました。
1985年秋の「プラザ合意」のことです。
「プラザ合意」は米国と日本だけではなく、当時の西ドイツを含めた三か国の合意です。しかし、ドル円レートを考察するので日米関係をクローズアップします。
米国が巨額の対日貿易赤字を解消するために、米国は日本に「為替レートの切り上げ」を要求しました。つまり、「ドル安円高」を要求したのです。
「プラザ合意」の直前のドル円レートは、1ドル=240円程度でした。しかし、約2年後には1ドル=120円台を付けています。
「プラザ合意」という「日米の政治的要因」で、為替レートの大変動が起こったのです。
「プラザ合意」後のFX市場(外国為替市場)で、最重要視された米国経済指標は米国の貿易収支でした。
当時は、米国雇用統計よりも米国貿易収支のほうが注目されました。そして、米国貿易収支が改善されていないことを材料に「ドル売り円買い」が進みました。
そのため、重要な経済指標によってFX市場(外国為替市場)が大きく変動した、と言うことも可能です。しかし、「なぜ米国貿易収支という経済指標が注目されたのか?」を考えると、「プラザ合意」があったからです。
こういった重大な合意、つまり、「政治的要因」はファンダメンタルズ分析の「判断材料」の中で、時として何よりも最優先される重要事項となり言えます。
円高・円安に合わせて、どう取引する?
利益を得るためには「円高」の時は「ドル売り円買い」を行い、「円安」の時は「ドル買い円売り」を行います。
ただし、大局での流れが「円高」か「円安」かを的確に把握していなければ、損をすることになります。
「Buy on dip」とは?
「Buy on dip」とはドル円が上昇傾向(上昇トレンド)にある際にストップ・ロス・オーダー(損切りのドル売り注文)のありかを調べて、そこでドルを買うことです。
つまり、「ドル買いで戦う」という、いわゆる「決め打ち」のスタイルを指します。
「Buy on dip」は、FX市場(外国為替市場)で使われることわざ(英語の格言)です。
ドルの傾向として、上下動をしている際に軽くストンと落ちる値動きをすることがよくあります。
そういった相場の動きを指して、比喩的に「ディップ(dip)」と呼びます。もともとは、「浸る・沈む」といった意味です。
ドル円が上昇傾向(上昇トレンド)にあるときでも、市場参加者の多くがドルを買うとったことで、相場はドル・ロング(ドルの買い持ち)の飽和状態になります。
そして、マーケットは自律的に下落して調整を行います。自律的調整とは、市場参加者がドル・ロングを解消することですから、ドルを売ることです。
つまり、目先の高値を買った人たちが、損切りでドルを売る場面です。ですから、そういったときは売り気配が非常に強くなります。
【「買い」よりも「売り」のほうが重要】理由を解説
ドル円相場では「買い」よりも「売り」のほうが大切なのです。ドル円相場の場合、ドルの上昇はゆっくりで、ドルの下落は速いからです。
理由は何であれ、ドルが上昇するときはジグザグを繰り返してゆっくりと上昇し、ドルが下落するときはストンと一気に落ちます。
ドル円相場が固定相場制から変動相場制に移行して以来、そうであったと言っても過言ではないでしょう。
実はこういったことは、特にドル円相場に限ったことではないのです。外国為替相場には、値段が上昇するときはゆっくりで、値段が下落するときは速いという傾向があるからです。
ユーロ(EUR)や英国ポンド(GBP)、オーストラリア・ドル(AUD)は、値段が上昇するときはゆっくりで、値段が下落するときは速い傾向があります。
一般論として、外国為替相場の場合は価格の上昇はゆっくりで、価格の下落は速いと言えます。
「買い」を行うチャンスは複数ある
「買い」を行う場合には、判断のタイミングが何度でもあります。
「買う」場合には、タイミングを外しても、買い相場は「買っては売り」の繰り返しが有効だからです。
価格(ドル円レート)の上昇がゆっくりであるということは、価格がまったく動かないということではありません。
価格が上がりそうだと思う市場参加者は、当然にドルを買います。価格が下がりそうだと考える市場参加者は、ドルを売ります。
そういった取引をこなしながら、価格が上昇する場合は上下動を繰り返しながら、少しずつ切り上がるように上昇していくのです。
また、「買う」場合には、多少タイミングを間違えてもレートに大差がありません。つまり、はっきり言えば、どこで買ってもたいして変わらないということです。
買い相場は、どこで買ってもたいした違いになりません。そのため、「買う」という判断を下して実際に買ったのか、それとも買わなかったのかという事実だけの問題です。
「売り」を行うチャンスは一度しかない
ところが、価格(ドル円レート)が下落する場合には、相場は一気に落ちます。
たとえば、ドル円が下落した場合にドルがさらに下がると判断して、ドルを売る決断をしたとします。その場合は、すぐに売らなければもうチャンスはないかもしれません。
ドル円が本格的に下落する場合には、1日で5円程度はたいした動きではありません。いつもというわけではありませんが、1日で10円、20円と下落する可能性もあるからです。
そして、本格的な「ドル安円高の値動き」であるならば、指値注文をしても約定にはならないでしょう。
価格が下落する場合にはジグザグ運動はなく、ストンと落ちるから現在レートですぐに売らないと約定しないからです。
「買う」という行為は、人間本来の本能的な行動だと思います。
つまり、価格が下落する場合にストンと落ちてしまうのは、価格が一定の水準を割り込むとその損失に耐えられなくなり、それまでに「買い」から入った人たちが、一斉に売る(損切りを行う)からです。
しかしながら、FX取引では、「円高」でも「円安」でも利益を出すチャンスがあることが最大の利点です。
この利点を使わない手はないと考えます。
相場が大きな影響を受けた出来事4つ
「突発的な大事件」やそれに伴う「驚愕するような大相場」は、約10年に1回、定期的に起こっています。
1. プラザ合意
2. LTCMショック
3. 2001年9月11日:米国同時多発テロ事件(セプテンバーイレブン)
4. 2010年頃~2012年頃の、ドル円が歴史的最安値を更新した時期
1. 1985年9月:プラザ合意
プラザ合意後、約2年3ヶ月で50%の下落。つまり、半値になった訳です。値幅で言えば、115円の下落です。
プラザ合意翌日の1日(24時間)では、ドル円は1日で18円の下落しました。その後、下落を続け、1987年12月末にドル円は120.00を付けました。
ドル円の取引で利益を上げるには、「ドル売り円買い」するしかない状況でした。
2. 1998年10月:LTCMショック
米系ヘッジファンドLTCMの破綻をきっかけに、大量の「ドル売り円買い」が出てました。ドル/円は48時間(2日間)で、138円から108円まで急落しました。
つまり、48時間(2日間)で30円の下落をしています。これは、一般のドル円の市場参加者は、あまりの激しさに手が出せない状態でした。
損をした人が大半で、利益につなげることは難しかったと考えます。
3. 2001年9月11日:米国同時多発テロ事件(セプテンバーイレブン)
事件が起こると、誰も参加できないので事実上、ニューヨークの外国為替市場がなくなりました。
そのため、取引ができずポジションを抱えていても何もできない状態で、損切りも利食いもできません。
この時も、損をした人が大半で利益につなげることは難しかったと考えます。
4. 2010年頃~2012年頃の、ドル円が歴史的最安値を更新した時期
ドル円が歴史的最安値をつけるような値動きは、「驚愕するような大相場」の連続だったと言って良いでしょう。
たとえば、2011年10月頃、ニューヨーク外国為替市場で、3日連続でドル円が歴史的最安値を更新しました。
しかし、その更新の値幅は数銭という「誤差の範囲」と言えるような小さなものでした。市場参加者は日銀の「ドル買い/円売り介入」を警戒したからです。
ドルを買っている市場参加者は、介入を期待して買います。多くの市場参加者がドル円を買い持ちにしている状態なのです。
そういった状況で、耐え切れなくなった一部の買い方が脱落して損切り覚悟で売り始め、円高にじりじりと動いてしまうのです。
そして、歴史的最安値を更新すると「介入があるのではないか?」といった疑心暗鬼から、あわてて買いが出てくるわけです。
そういった神経質な状態、心理戦とでも呼べるような緊張感のある値動きが、連日の小幅の歴史的最安値更新の理由だと考えます。
この記事の監修者

松田トラスト&インベストメント代表取締役
松田哲
MATSUDA SATOSHI
略歴
早稲田大学法学部卒業。 三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。 現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として、法人・個人向けコンサルティング業務を行っている。 著書『外貨崩落』(技術評論社)などで米ドル/円相場、クロス円相場の下落を見事的中。 『1勝9敗でも勝てる松田式FX!』(ダイヤモンド社)、『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』(技術評論社)、『FXの教科書』(扶桑社)、『投資で浮かぶ人、沈む人』(PHP研究所)、『FX「シグナル」を先取りして勝つ!』(技術評論社)など、多数の著書がある。 有料のメールマガジンやシステムトレードも配信している。 執筆者のサイト→http://matsudasatoshi.com/
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